わかっていたはずなのに


憧 憬 の 轍




2019327日  わかっていたはずなのに



開花予想が早まりそうな陽気が続いたかと思えば、この週末はいわゆる“寒の戻り”で最低気温は氷点下。

さらに昨日から雪も舞っている。

それでも春分を過ぎてまだ3日足らずだが、確実に日が長くなっている。

凍てつくよ  うな風に吹かれても早春を実感できるのがうれしい。

 

 





キャブレターが不調極まりないCA105の「キャブレター燃調キット」なる部品が届いた。


早速開封してみるとジェットニードルが4種類、


メインジェットが6種類、パイロットジェットも3種類入っていて、


オマケに「これで燃調が採れなければオマエはバカだ」と言わんばかりの説明書まで付いてきた。



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エライものを買ってしまったようだ・・・             


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で、早速部品交換の準備

 

 

キャブレターには真鍮の部品が多く使われている。


真鍮が比較的柔らかい金属だと言う事は知っていても摩耗が思いの他早い事には驚かされる。


エンジンが動いている間、ジェット類の中をガソリンは凄まじい勢いで流れ、バルブは常に金属同士が接触し続ける。



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真鍮は摩耗が激しい                      


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とりあえずはスタンダードで

 

 

新しい部品でキャブレターをオーバーホールしたとは言え、いきなりエンジンに組付けて再始動する訳にはいかない。


トレーの上で少量のガソリンを通してオーバーフローや接合部分からの滲みや漏れがない事を確認してからだ。

 

KEIHINN製とは言えおそらくは古いAMALのコピーのようなこのキャブレターは一般的なサイドドラフト型に比べてオーバーフローしても分かりづらい。

 

キャブレターをエンジンに組付け、燃料は点滴状態、バッテリーも仮設で再始動を試みると数回のキックでエンジンはアイドリング状態を保てた。


チェーンが無いため試走出来ないので、実質的な燃調は走れる状態になってから。

 

 



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一応アイドリング出来るのだが・・・              


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新しい真鍮部粉が目立っている

 


「エンジンの再始動に成功しました」。

大魔神O氏にメールで連絡したところ、早速ドライブチェーンも手配して走れる状態にしてみようとの事。

当然チェーンはメールで連絡する前に手配済み。

 

走ってみない事には実質的な燃調は採れないし、走ると言う事は止まらなければならないと言う事。


当たり前だが前後のブレーキやアクセルシャフトやハブベアリングも“走って止まれる”状態にしなければならない。

 

 

前輪は前回確認してあったので後輪を外してみた。


ブレーキシューは前輪同様に新しいものに交換されていたが、ベアリングやブレーキカムなどはある意味で予想通りだった。




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左側のチェーンアジャスターは曲がっている        


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後輪のハブ内部は・・・

 

 

 

曲がりと錆の目立つチェーンアジャスターの修正は簡単な作業で済んだが、ハブベアリングは固化しかけたグリスと砂でジャリジャリ状態。


ベアリングを抜いて古いグリスごと洗浄し噛んでいる砂を落す。


新しいグリスを入れて回してみたが違和感はない。




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ベアリングはジャリジャリ                    



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洗浄後に新しいグリスを

 

 

 

ハブがこんな状態なのだからブレーキカムも同じだろうとシャフトを抜いてみた。


予想通りスッカスカで錆まで出ていた。


詳しい事は分からないがこのCA105Hは後輪のブレーキをフットペダルでもハンドルの左側レバーでも作動できる装置が付いている。



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ブレーキカムはスッカスカだった               


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ケーブルもこんな状態でワイヤーは固着している

 

 

 

ハンドル左側のレバーで後輪のブレーキを作動させ、右側のフットペダルでも作動させるために特殊なブレーキロッドが用いられていた。


パーツリストの図と照らし合わせてみると組み方がどうもおかしい。



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おかしいのは曲がっているからだけではない        



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このあたりの組み方がおかしい



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おそらくこの組み方が正解                   



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この図の2の部品が無い

 

 

特殊なブレーキロッドは錆だらけだったのでサンドブラストし、メッキするか塗装するかは今後の流れ次第だ。


心配なのは輸出車専用部品だったとしたら純正部品を見つける事が出来るかと言う事だ。


最悪の場合は代用部品を作り、いずれ見つかる事に期待するしかない。

 

 

春の彼岸明けの週末、道端の雪を照らす夕日はきれいだった。