憧 憬 の 轍
2020年1月5日 今日までそして明日から
凍える朝に積もる粉雪は軽く片付けやすい。
日が昇り気温の上昇と共に重くなるので早目に払ってしまいたい。
今日は風がなかったが気温が上がらない。
ほとんど真冬日だった。
一般的に正月休みも今日で終わり。
次の週末まではさぞや長く感じる事だろう。
この休みの内にある程度組み上げてしまおうと考えていたXL125sのエンジンはほぼ予定通り腰下の主要部分を組み終えた。
シリンダーやシリンダーヘッドも耐熱塗料で塗装をし、
組めるだけ組んでしまおうと思ったが、
ピストンピンクリップの手配を忘れていた。
ストック部品の中に状態の良いものはない。
それならばと、シリンダーヘッドを組む準備をした。
ビニル袋に部位ごとに小分けしておいた部品をひとつずつ確認しながら仮組してみる。
XL125K2に比べてこのXL125sのエンジンは各部が改良されている事は以前にも書いた。
カムシャフトを取り出してみるとエンド部分にブッシュが付いている。
このブッシュはXL125K2にはない。
邪推ながらXL125K2でオイルの供給不足による焼き付きが多く、
シリンダーヘッド本体を護るために追加された部品ではないかと思う。
さらにこのブッシュにはストッパーも付いていてカムシャフトと一緒に回ってしまう事はない。
オイルの供給状態が悪くなってもエンド部分がアルミ鋳造性のシリンダーヘッドを傷つける事は防ぐ事が出来る。
3日夜に『樵の巨匠』のガレージで開催した「ストーブ祭り新年会」以来、
いつも作業場に集まるメンバーの顔を見ていなかったが、
午後になりひとりふたりとやって来た。
この休み中の事や家族の事など、ストーブを囲んで話している。
当然の事だが皆、作業場で見せる顔と家に帰ってからの顔は違う。
さらに明日からまたそれぞれが職場に戻り、違う顔で日常を過ごす。
“悪い病気”に感染したままのオヤジ達の新しい1年がまた始まった。
年明け早々の脱輪は炎上中のストーブの話だ。
『樵の巨匠』が大好きなAladdinの灯油ストーブ、
「Aladdin Blue Flame Heater」。
1930年代初めに燃焼効率の高い青炎燃焼式灯油ランプの特許を取得した事からAladdin社の歴史は始まるらしい。
日本では「ブルー・フレーム・ヒーター」の商標で販売されているが、
この商標による大きな勘違いに今さらながら気づいた。
普段バイクばかりいじくっているせいか「フレーム」と聞けばバイクの基本的な構造部分や枠の事だと思っていた。
“Flame”と”Frame”の違い。
まさに日本人が苦手なLとRの発音の違い、
これを“フレーム”と書くか“フレイム”と書くかの違いだった。
日本語が難しいのか、
英語が難しいのかは別として、
それこそが勘違いの始まりだった。
「アラジン ブルーフレーム ヒーター」と聞いて「青いフレーム(枠)のストーブ」だと思っていた。
なぜなら『樵の巨匠』の持っている2台の古いAladdinは薄い青色と言うか、
くすんだ青色に見える。
「フレーム」でも「フレイム」でも、
そんなモンどっちでもいいじゃねぇか、
と言う御意見もあるだろう。
外国語を日本語で表記する過程で生じた齟齬かもしれない。
ただ、バイクのFrameがFlameであっては困る話だ。
新潟県燕市のアウトドア用品メーカー「UNIFLAME」はカタカナ表記が「ユニフレーム」だったが、
2014年に社名を「(株)新越ワークス」に変更した。
社名変更の経緯にFlameとFrameの発音やカタカナ表記が関係しているかどうかは知らない。