憧 憬 の 轍
2019年3月1日 熱量
COVID-19の世界的拡散が止まらない。
パンデミックだ。
日本の政府も早期の収束を目指して3月2日から春休みまでの臨時休校を全国の小、中、高校および特別支援学校に要請した。
政治家の“切羽詰まった顔”は国会中継やニュースで度々見かけるが、
多くは保身のために不祥事を隠そうとする時だ。
今回も同じ表情に見えたのは考え過ぎかもしれないが、
実情は決して侮れない段階に進んだと思う。
予期しなかった卒業式を迎える事になった子供たちが近い将来、
これを笑い話に出来る事を願っている。
カウンターシャフトのオイルシールがすっぽ抜けするエンジンをとりあえず終え、
次に“手術室”に迎え入れたのは『サンちゃん』ことS氏のKAWASAKI KSR-80。
順番としてはこの春に車検を迎えるCB400Fourの整備や、
オイル滲みが限界を超えたXL250-Rの修理を予定していた。
時間的に余裕がある訳ではないが比較的に短時間で済みそうなものから済ませたい。
今年は春が早そうなので早々に整備を終えて持ち主のもとへ帰そうと思った。
昨年の秋、
前オーナーの『特攻隊長』が乗っていた頃に比べて、
エンジンがスッカーンと言うか、
パラッパーンと回らなくなったような気がした。
若い頃ならいざ知らず、
『特攻隊長』並みにエンジンをブチ回すリターン・ライダーは多くない。
気になったのはキャブレターのフロートチャンバーに滲んだ燃料の跡だった。
さらにジェット類にも手を加えた事も思い出す。
『サンちゃん』がこの2ストロークエンジンを『特攻隊長』のようにブチ回さずに乗っていたとするなら、
もう一度キャブレターを『サンちゃん』仕様にセッティングし直さなければならないのかもしれない。
キャブレターは外見の汚れとは裏腹に、
内部はきれいでフロートチャンバーの堆積物も無い。
気になったのはスパークプラグの状態。
空燃比の狂った状態が続いていたようだ。
おそらく原因はエアクリーナーだ。
前オーナーの『特攻隊長』が所有していた時点で純正のエアクリーナーは既に無く、
いわゆるパワーフィルターに替えられていた。
その取り回しと位置から小まめな点検と清掃が必要だ。
新しいプラグを入れてエンジンは2回目のキックで始動した。
幸いにも道路が乾いていたので試運転に出かけたが、
やはりまだ寒い。
久々に聞く2ストロークの音は小気味よく、
“その気”にさせる。
高回転域で少々モタつくがエアスクリューの調整で解消できると思う。
走ってみて気になったのはリアブレーキだった。
フロントブレーキは既にフルードを入れ替えてあるし、
ブレーキパッドの残量も問題ない。
リアブレーキのマスターバッグを開けてみるとフルードはLOWレベル以下!
ブレーキパッドの残量に問題ないとは言え、
おそらく今シーズンが終わる頃には限界を迎える。
ミッションオイルの汚れ具合も気になる。
キャブレターの調整を終わらせるために再び走り出そうとすると雨が降り出し、
試運転は中止。
朝から作業場の外が騒がしいのは、
今日が市議会議員選挙の告示日で各候補の広報車が頻繁に通るからだ。
COVID-19の影響で各学校の卒業式も今年は異例のスケジュールが組まれているらしい。
そんな中での選挙だ。
3月8日が投票日、
期日前投票が一般的になったとは言え、
かつてない程に低い投票率になるのでは・・・、
そんな憶測もまことしやかに囁かれている。
COVID-19などものともせずに「ストーブ病」患者たちは相変わらず元気だ。
『大魔神・O氏』の厳命によって決行した「Operation-California in Snow 4」で入手した真鍮製のタンクや窓枠などが届いた。
今回も速攻でO氏のご自宅に・・・、
ではなく『樵の巨匠』の仕事場に。
そして開封。
興味のない人が見たら口を揃えて言うだろう。
「えっ、わざわざこれを買ったの? アメリカから・・・?」。
そして明日にでも届くのは「Operation-California in Snow 5」のPYREX耐熱ガラス製の火屋、
さらに追って届く予定のPERFECTION №1527用のトップリングは「Operation-California in Snow 6」。
『大魔神・O氏』の爆発的火力に圧倒されっぱなしだが、
『林道1号』のT氏は昨夜、
念願の「日本船燈フリージア」を落札!
懲りないオヤジ達の週末は今回も慌ただしく、
そして忙しい。
閑話休題 久々に作業場用語辞典
- PERFECTION研究会
2019年12月、
突如として作業場に現れた新勢力で、
古い石油ストーブに病的な愛着を持つ。
冬場、バイクに乗れない事から来るストレスによるものと思われていたが最近、
これも一種の病気であることが判明した。
2020年2月現在、
研究会は「PERFECTION派」、
「Aladdin派」、
「BARLER派」などに分派したが、
「日本船燈派」を筆頭に、
どの派にも属さない少数派も確認されている。
近々に名称を改めるらしいが、
すべての病原が『樵の巨匠』にある事だけは定説となっている。
- ストーブ・ウイルス
中国・武漢に端を発する新型コロナウイルス=COVID-19が世界中に蔓延する中、
作業場で新たに確認されたウイルス。
特徴は電話やメール、
SNSを介した「電波感染」もする事。
またほとんどの感染者に自覚症状は無い。
『大魔神・O氏』の「PERFECTIONウイルス」が最も強力と思われていたが、
「日本船燈派のフリージア・ウイルス」が少数ながら最強、
いや最凶との報告もある。
実態の早期解明が待たれる。
- eBay
世界最多の利用者を持つインターネット・オークションサイトで、
1995年設立。
そんな事よりも、
これまで日本国内においては入手不可能と思われていた部品などが見つかるため、
Worldwideな積極派には重宝されている。
少々の英語力が必要だが積極派の英語力は日増しに進歩している。
入札や購入代行をする会社もあるが手数料は決して安いとは言えない。
- パッカーン
主にエンジンのクランクケースを解体する時に使われるオノマトペ=擬音。
一般的に上下分割であっても左右分割であっても、
接合部には数本のノックピンが使われているためビスやボルト、
ナットを緩めただけではクランクケースは分割できない。
結果として分割には柔らかい素材で作られたハンマーなどが用いられる。
ケース自体、
特に合わせ面に傷をつけずに分割した瞬間は「パッカーン」としか言い表せないばかりか快感を伴う。
- 編集長のオマケ
筆者の意思を無視して付け加えられるサプライズ的な記事。
ある意味で最も作業場の実情を反映している。
誤字や脱字は御愛嬌、
ゴーストライターとしては今後も、
さらに頑張ってもらわなければならない!
- 濃厚接触者
ある一定以上の時間を近距離で過ごした場合、感染のリスクは急激に増すが、それをものともせずに「夜の濃厚接触」さえも求めて彷徨う者達を指す。体内のアルコール消毒は効果が認められないばかりか、逆効果との説が有力。また、濃厚接触者の多くが多量のアルコールを帯びているとの報告もある。
- ポチ
犬の名前ではない。
夜な夜な血走った眼で観ているオークションサイトに、
溜息をつきながら右手の人差し指を動かす行為。
その後に訪れる幾ばくかの後悔をオークション終了と共に忘れ去る事は稀だ。
- Operation-California in Snow
極秘の作戦らしく詳細は不明、
と言う事になっている。
実際に米国のカリフォルニア州でも内陸側の山間部では雪が降るが、
その地域を意味しているのではない。
名称の由来は1972年のヒット曲「It Never Rains in Southern California-邦題・カリフォルニアの青い空」だ。
作戦の命名者はアルファベットに弱く、
作詞者のMike Hazlewoodと伝説的なライダーMike Hailwoodを混同的に勘違いした事から、
50年近い時間が経っても記憶に新しかった。
懐かしい曲が「Rain」なら作戦名は「Snow」で・・・、
シャレのつもりだったらしい。
ちなみに往年の名車、DUCATI 900ss MHRのMHRはMike Hailwood Replicaの頭文字を採って命名されたもので、
どんなに間違ってもHazlwoodではない。
- わらしべ商会
不要なものを手っ取り早く金銭に替えるため、
様々な手段を講じて一種の流通を行う組織。
名称の由来は童話の「わらしべ長者」とも言われる。
またPERFECTION研究会とは別な一大勢力(?)の「ジャミフレンズ」と関りが深い。
ちなみに「ジャミフレンズ」は最近、
「相棒」とも呼ばれ、会員拡大が進んでいない。
- アタマが2ストローク
2ストロークは一般的な4ストロークエンジンの半分の行程で完結するため高回転、
高出力が期待できる。
人の性格もエンジンの形状や性質に似ている事から用いられるようになった比喩。
「アタマが2ストローク」になると一時的に迷いを忘れるらしいが、
路面やタイヤの状態には過敏になるらしい。
- ゴンボほり
頑固者や屁理屈を並べる事を意味する。
「だはんこぎ」とも言われ、青森県津軽地方の「じょっぱり」とほぼ同意語。
いずれも標準語の発音や抑揚での表現は難しい。
青森県県南部地方特産の「牛蒡を掘る」行為とは無関係。
- アルコール
安眠のための必需品だが睡眠薬ではない。
一般的には「酒」と言われ一括りにされるが、
原材料や製法によって多くの種類に分別される。
医薬部外品であることは言うまでもない。
「燃料」とも言う。
今やどこにいても環境さえ整っていればインターネットにアクセスする事が出来る時代にあって、
既に電話と言うよりは小型の高性能なコンピューターを持ち歩いていると言っても過言ではない機械。
各種のウイルス感染者にとっては“三種の神器”のひとつでもある。
アルコールによる“アタマが2ストローク”な状態では予期せぬアクシデントさえ生み出す凶器でもある。
スマートフォンより一回り大型のタブレットを併用する者も少なくない。
○オークション
「このヤロー、これでもか!」 ポチ・・・
「なに? まだ歯向かうとは太てぇヤツだ」 ポチ・・・
「これでどうよ? まだヤルってか~?」 ポチ・・・
「ん~、そろそろ勘弁してやるか」 ポチ・・・
「おぉ! 別なトンビも来たか!」 ポチ・・・
「ふざけんじゃねぇっ、下がれ!」 ポチ、ポチ、ポチ・・・
かくして夜は更け、
明朝に覚えるのは後悔か満足か。
それは本人にしか分からない。
○卒業
重篤な「ストーブ病」の感染者たちは口を揃えて「これを手に入れたら卒業だ」と言う。
しかし「卒業」と同時に「入学」する者が多いのも自覚症状の無い感染者たちの特徴のひとつで、
同じ分野を継続する者と、
まったく別の分野に「進学」する者とがいる。
感染者ならぬ観戦者からすれば、
いわゆる“悪い病気”に端を発する各種の感染が、
個々の体質によって様々な症状に変異するものと考察するしかない。
よって彼らの言う「卒業」は単なる「ひと区切り」でしかない。