憧 憬 の 轍
2018年1月21日 粉雪の予告
相変わらず雪が少ない。
道路にはほとんどない。
昨日、JC58の“火入れ式”のために
作業場に駆けつけたO氏は‘75 XL125初期型に乗って来た。
今日は近々に来る大型の寒波を知らせるように時折雪が降っている。
寒波は寒さばかりでなく雪も連れてきそうだ。
これからの1ヶ月が冬本番、1年で一番冷え込む季節だ。
思い起こせばインフルエンザに感染したのも昨年の今頃だった。
メンテナンスが必要なのは古いバイクばかりではない。
自分自身のメンテナンスもそろそろ真剣に考えなければならない。
日帰り湯治や冬キャンプに行きたいが
その前に一段落させたいJC58とTL125バイアルス。
どちらもタンク関係が問題だ。
TL125バイアルは内部の錆さえ除去出来れば後はコーティングのみだが、
頑固極まりない最後の僅かな錆が残っている。
これまで使ってきた錆取剤は中性のものだった。
新たにK社のラストリムーバー(酸性)で完全除去を目指す。
JC58の方はフュエルコックやホース類の連結状態まで対策を練る必要がある。
タンクは左右に吐出口がありコック部分で連結されている。
そこからキャブレターに繋がるホースもバンジョーが用いられている。
おそらくは解体時に固着していて折れてしまったコックのボルト部分を
何とかしなければタンクの処理が終わっても使い物にならない。
折れて無くなってしまったボルト部分の修復は不可能なので
バンジョーの押さえ方を変えてみることにした。
これではバンジョーを押さえきれない
パッキン無しでこの状態
ナットで押さえきれないのならボルトやビスで。
幸いにも破損していた部分にはφ3.2㎜程度の穴が開いていたので、
これを利用してM4用のタップ加工。
バンジョーを完全に押さえるために
外径14㎜のワッシャーとトラスネジを組み合わせてみた。
コック内部のON-RES-OFFを分けるゴムパッキンも新たに作り直した。
こんなモンでどうだ!
漏れなきゃいいなぁ・・・
これでガソリンが漏れなければタンクの内部をコーティングしようと思っている。
とりあえず紙質のガスケット材でパッキンを作ってみたが、
耐ガソリンのゴムも使ってみようと考えている。
このJC58はBENLY Jシリーズの最終型とされている。
JC56に始まりJC57、JC58と改良が重ねられたらしい。
その形跡はエンジンの出力だけでなく足回り、
すなわちサスペンションに顕著だ。
JC57まではマン島レースで培った技術を用いて
フロントにアールズフォークを採用しているが、
JC58のフロントフォークはオイルダンパー付きのボトムリンク。
これは浅間レースからのフィードバックらしい。
オイルダンパー付きボトムリンク
後輪にも何かが隠れていそうな雰囲気
少ない資料から得た情報によれば後輪もかなり興味深い。
どうやらブレーキドラムとスプロケットが一体で鋳造されているとか!?
外せないスプロケットは51Tらしい。
チェーンケースの中身にも興味は尽きない。
シートを支えているゴム製のダンパーも悩みが尽きない。
ヘタりきっていると言うか潰れきっていると言うか、
クッション性が無いばかりでなく座面の角度に大きく影響している。
ダンパー自体を作り直すべきか
フレームとブラケットの間にスペーサーを入れるべきか、
そんなことを考えながら今夜も赤ガスと炭酸水を傍らに
もうすぐ日付が変わろうとしている。
外は僅かだが粉雪が降ったようだ。
シートのダンパー これをどうするべ?
半月ほど前の事、「冒頭の数行以外は何の事だか分からない」と言われた。
バイクやエンジンに関心のない人なら当然の御意見だ。
それでも時々読んでいただいている事には感謝しなければならない。
バイクやレストアに関係のない事を書いた記事や番外編は、
轍から外れた「脱輪」と称している。
そんな文章にも編集長は寛大だが、
今年は「差し止め」を食らう覚悟の 「大脱輪」も書かせてもらおうと思っている。