送り火を焚きながら

憧 憬 の 轍

 

2023815日 送り火を焚きながら

 

本州最北端の地では「冬日」や「真冬日」と言う単語には馴染みがある。

しかし「真夏日」だけでなく「猛暑日」や「酷暑日」、さらには「熱帯夜」などの北国に似つかわしくない表現も聴くようになった。

最高気温が35℃以上だとか、最低気温が25℃以上だとか、1~2℃の差なんてどうでもいい。

要はとにかく暑いのだ。

自治体が防災無線熱中症対策を促す。

頻繁に救急車のサイレンが聞こえる。

COVID-19の制限があった時期に、マスコミは「これまでとは違う~」と言う表現を多用していたが、確実にこの夏はこれまでとは違う。

頻発する台風の影響でこの盆中は一服の涼を得たが、明日からまた暑い日が暫らく続くらしい。

 

 

 

南津軽郡田舎館村と言えば田んぼアートと言われるまでになった。

平成5年(1993年)から平成13年までの9回は古代米などの3種類の稲を使って役場前の田に文字を描いていた。

当時はまだ「田んぼアート」と言う言葉さえなく「稲文字」とも呼ばれていた。

平成15年、第11回はモナリザを描いたが遠近法を用いずに描いたため、失礼ながら自慢できる作品とは言い難かった。

翌平成16年以降、描法は飛躍的に進歩し、使われる稲の種類も増えた。

その進歩と努力は「日本一の田んぼアート」と称されるにふさわしい。

平成24年の第20回からは道の駅に設けた第2会場でマジンガーZウルトラマンなど、子供向けの作品も製作している。

 

今年のテーマは棟方志功フェルメール

棟方志功の版画によく見られる紅色やフェルメールが拘ったとされる青色を数種類の稲から感じ取れるかどうかは見る人次第かもしれない。

 

棟方志功の「門世の柵」とフェルメールの「真珠の耳飾りの少女



紅色は見えるか


                 

青色は見えるか

 

さらに平成27年(2015年)からは4色の小石を使ったストーンアートにも挑戦している。

テーマは「惜しまれる人」。

これまでに高倉健石原裕次郎、ダイアナ妃、渥美清美空ひばり…。

今年のストーンアートが宗像志功なのは第1会場の田んぼアートと関係しているのかも知れない。

数種類の稲を用いた「田んぼアート」の出来栄えには確かに驚かされるが、4種類の小石で表現するモノクロのストーンアートにもまた別の意味での驚きがある。

 

稲の種類をチョットだけお勉強


          

4色の小石でモノクロの世界

 

気が付けば8月も既に半ば、立秋から1週間を過ぎ、夜は虫の声も聞こえる事がある。

日中は「暑い、暑い」と汗を拭いながらも秋を予感しているが、遠くに見える山はまだ青々としている。