憧 憬 の 轍
2023年10月30日 霎時施(こさめときどきふる)
10月最後の週末、公園の樹木や街路樹はすっかりその色を変え、秋と言うよりは冬の近ささえ感じる。
カレンダーを破り去ると今年も残りは11月と12月の2枚だけ。
来年のカレンダーを準備する頃にはいつも雪が降っているような気がする。
タイヤ交換の事もそろそろ考えなければならない季節になった。
バイクも冬支度を始めなければならない。
来春までは時間があるので気長に・・・、なんて言っているうちに時間に追われる事になるのも毎年のことだ。
‘75 CB400Four だけでなく来年車検を受けなければならないバイクがある。
最近、‘75 CB400Four 用の中古部品が数多くオークションに出品されるようになった。
もちろんゴミ同然の物の多いが、安価で程度の良い物も多い。
今回見つけたのはオイルパンだ。
このオイルパンの底部には2か所の突起があるのだが、多くの車両はその突起が欠けている。
アルミ特有の表面腐食はサンドブラストし、塗装仕上げをする予定なので、この突起がきれいに残っている事が問題なのだ。
昨年の今頃は‘75 CB400Four の「今後10年を見据えたメンテナンス」を始めていた。
最大の問題は下側のクランクケースにあったクラックからオイルが染み出すようになった事だった。
エンジンを降ろし、全バラして組み直したのは今年の春だった。
その後、合わせ面に入るプラグ周辺から僅かなオイル滲みなどもあったが大きなトラブルもなく10月初旬の恒例「1泊ツーリング」だった。
2週間前にシフトドラムセンターを交換し、特に問題はないと思っていたが始動時にタペットを打っているような音がした。
バルブ周りには触っていないので気にかかり、早速クリアランスのとり直し。
11月初旬にかけて少し暖かい日が続くようなので、短い距離でも走らせてみたいと思っている。
閑話休題 またしても後悔先に立たず その2
夜ごとに栗と格闘して来たが、正直なところバイクのレストアより疲れた。
甘党ではないのに甘露煮、渋皮煮、揚げ栗の蜂蜜とシナモン和えと、酒の肴になりそうなものはひとつもない。
塩をふった揚げ栗や苦みのあるチョコレートに包んだものはウイスキーに合いそうだが、甘味は渋い緑茶や深煎りのコーヒーのために作ったようなものだ。
40年も前の話だが男がケーキなど人前で口にしてはいけないと思っていた。
今では満面の笑顔で甘味を口にする男も珍しくないし、それで当たり前の時代だ。
当時付き合っていた女性がお気に入りだったのは老舗のケーキ屋の茶房で、いつも彼女は香りの立った紅茶とケーキを注文していた。
確かに美味そうだったが、私はいつもコーヒーだけ、もちろん砂糖やミルクは入れない。
ある日、一番甘くないケーキはどれかと尋ねるとチーズケーキだと言われた。
それを口にした瞬間、私は後悔した。
こんなに美味いものをカッコつけて口にしなかったんだから!!!
何たる不覚!!!
かつて名優と謳われた三船敏郎はサッポロビールのCMで「男は黙ってサッポロビール」と言った。
男が甘味に目尻を下げるなど言語道断!
黙って苦みばしったビールだろ?
ではなかったのだ。
その年のバレンタインデイに貰ったチョコレートはゴルフボールほどもあるウイスキーボンボンで、確かに絶品だったが、ウイスキーもブランデーもラム酒もそのまま入っているため完全に酔えるシロモノだった。
訊くは一時の恥、知らぬは一生の恥。