After days of CB400Four
越 冬 日 記
diary 12
2015年2月24日
早いものでもうすぐ3月。
雪が少ないのはありがたい限りだが、
こんな年は夏が暑くならなかったりする。
それだけはカンベンして欲しい。
T氏のTLR200のキャリアを再検討しながら
春のツーリングの行き先に思いを馳せていると
トンデモナイ情報が舞い込んできた。
青森と秋田の県境にある「日景温泉」が昨年8月をもって閉館、
さらにすぐ側の「アクトバード矢立(矢立の赤湯)」も休業。
そして十和田湖の近くの「温川山荘」も昨年閉館。
知らなかった!
温泉巡りとキャンプツーリングはセットで考えている私にとって
これらはまさに訃報だ。
また地図に×印が増える。
東日本大震災の後、
三陸や福島のみならず地図にいくつもの×印を書き込んだことを思い出す。
「日景温泉」は天然秋田杉の林にたたずむ一軒宿で、
かつては「東北の草津」と呼ばれるほどの効能を持つ名湯だった。
総ヒバ造りの浴室も混浴の露天風呂ももう入れないのか・・・。
県境を挟んで青森側にあった湯ノ沢温泉も
3軒あった旅館がすべて廃業して既に3年。
最近の地図には名前さえ載っていない。
施設の老朽化と後継者不在。
どうしようもない事だが、
栄枯盛衰、諸行無常、
そんな言葉が聞こえて来るような気がする。
「温川山荘」に続く橋、薄緑色に見える透明な湯、
「矢立の赤湯」の温泉成分で千枚田のようになった
浴室の床(勝手に茶色のパムッカレと呼んでいた)、
そしてそれぞれの湯が持つ独特のにおい・・・。
閉館とか休業と聞いて思い出す宿がある。
出来た土砂ダムのために水没してしまった「湯の倉温泉・湯栄館」だ。
山道を30分歩かなければ辿り着けない山奥にあるランプの宿で、
200年近く守られてきた名湯だった。
自然災害とは言え経営者の心情を察すると胸が痛い。
あの赤い屋根を私は忘れない。
鄙びた湯治宿や個性的な温泉が次々と姿を消しているらしい。
春が来る前に情報を集め直さなければならないが、
地図に×印を書くのはやっぱりつらいなぁ・・・。