憧 憬 の 轍
2015年4月15日 過積載軍団、始動
偏西風の蛇行と上空の寒気のせいで天候が安定しない。
それでも桜前線は順調どころか加速度的に北上し
どこの開花予想情報も改訂が相次いでいる。
当初、25日~26日で予定していた
今シーズン初めての長距離走なので
バイクのメンテナンスだけでなく
季節を考えると装備にも気を使う。
同行するヒロさんことT氏はおよそ25年ぶりの長距離
そして初めてのキャンプツーリングだとか。
春とは言え朝夕はまだ冷える時期なので
寝袋だけは良いものを用意してもらった。
久しぶりのキャンプツーリングなので気持ちははやる。
雨具やテントはもちろん
火器や調理器具などひとつずつ確認しながらのパッキング。
こんな事をしている時間は実際に出かける事と同じくらいに楽しい。
もしかしたら実際にキャンプツーリングに行くよりも楽しいかもしれない。
ただ今の季節はちょっとした天候の変化が状況を大きく変える。
そんな事さえも楽しめるかどうかはやってみなければわからない。
2015年4月18~19日 過積載軍団、西へ
雨天決行!などと勇ましい事を言っても悪天候の中を出発するのは気が重いもの。
晴天とはいえないまでも雨が落ちてくる気配は無い。
ただ秋田方面の予報に雨のマークが付いているのが気になる。
それでも時間あたり1㎜程度とのことなので
一度はパラっと雨に当たるだろうとは思っていた。
太平洋側に住んでいる我々が日本海側へ行くためには山を越えなければならない。
時期的に標高が高い地域にはまだ雪が残っていることが予想されるので
最も標高差の少ないルートを選んだつもりだった。
道路に雪は無いとしても気温の低い所を走るのは最小限にしたいからだ。
特別トラブルも無く
しいて言えばT氏のマフラーのヒートガードが外れたくらいで概ね順調。
走り出して間もなく荷崩れをチェック ヒートガードが落ちた?!
これまでにも何度も通ったことのある道だ。
この頃から雲行きが怪しくなってきた。
それでも「時間あたり1㎜程度」との予報を信じていたが、いきなりの豪雨!
雨宿りをしてから再び走り出したものの
雨は止むどころか雷まで鳴り出す始末。
ちょうど昼食の時間だったので道の駅で食事をしながら再び雨宿り。
たしかに・・・、『所によっては雷や強く降ることも』
とは天気予報に書いてあったが
まさかその『所』にあたるとは! 雨天決行、なんて言うんじゃなかった・・・。
雨が上がった後は順調に走って目的地の八郎潟へ。
昼間の雨がウソのように天気は回復したが桜並木は6~7分咲きといったところ。
予定より2時間ほど遅れているので急いで買い物を済ませ
本日のキャンプ地・日本国家苑に到着した頃
きれいな夕日が明日の天気を約束しているようだった。
日本国花苑は井川町にある大きな公園で
園内には様々な花だけでなく数々の彫刻も見ることが出来る。
時間的に外は既に真っ暗なので
まずは風呂
そして貸し切り状態のキャンプ場で夕食(宴会?)。
お約束の焼肉、そして選んだ酒は「飛良泉」。
秋田といえば飛良泉、山廃仕込みの逸品。
ホロケる準備完了! アサリ貝もトマトソースでグツグツ
この日本国花苑のキャンプ場も料金は無料。
秋田県、太っ腹ですななぁ~。
日本全国の自治体には是非とも見習っていただきたいものです。
明けて19日(日曜日)は朝から快晴。
暖かさが昨日と比べ物にならない。
それでも日中と朝夕の寒暖差はまだ大きく
テントは朝露だらけ。
当初、天気と時間が許せば男鹿半島まで足を伸ばす事も考えていたが
昨日の段階で諦めていたので朝食後は少々ゆっくりと過ごし、再び八郎潟へ。
キャンプ場は貸し切り状態 園内の彫刻
昨日6~7分咲きだった桜はほぼ満開。
実際に昨日とは咲いている花の数が違うと分かるほど。
路側帯の菜の花はこれでも8分咲きらしく次の水曜日あたりが見頃らしいが
連休まではもちそうに無い。
桜が主役か菜の花が主役か? 脇役にもならない二人
道路わきでは花見をしている人も もう1泊したいなぁ
八郎潟を出てからの帰り道は厚着をしていると汗ばむほどの陽気に
人もバイクも調子よく走る。
旧仁鮒小学校は2008年に統合のために閉校になった。
この趣のある木造校舎は現在
市民団体が地域の文化や伝統を伝える拠点として活用している。
少子化の影響で統廃合が加速度的に進んでいる今
古い校舎は解体される事が多い。
このような佇まいを感じさせる建物を存続させるのは簡単ではないが
出来るならば残して欲しい。
T氏は講堂部分の小屋組を間近で見たかったらしいが
中に入れないため窓越しに見るしかない。
もしこの建物の窓が木枠のままだったらとか外
壁をもう少し補修すればとか
そんな話に花が咲いてしまいチョットだけ
のつもりがけっこうな寄り道になってしまった。
すなわち来た道を逆送する形で山越え。
さすがに夕方からの山越えは寒かった。
天気さえ良ければ日中は暖かくても
まだ4月だと言う事を思い知らされた帰り道だったが
大きなトラブルも無く無事帰って来られた事が何よりだ。
総走行距離550km。
バイクとライダーの年式から考えてもちょうどいい1泊2日のツーリングだった。