憧 憬 の 轍
2015年5月10日 梅雨入り前のひと仕事 ‘75 XL125
先週は下北へウニを食べに行ったので、
今週は北三陸あたりまで美味い魚でも・・・
なんて事を考えていたが朝から天気が落ち着かない。
昨夜はけっこう雨も降ったし気温も上がらない。
朝早くに用事を片付けて出かけるつもりだったが時計は10時をまわっている。
こんな時間から出かけたところで
忙しない日帰りツーリングになることは分かりきっている。
空模様ばかりを気にしながら走るのもイヤなので、
梅雨に入るまで手をつけずにいるつもりだったXL125に着手する。
フレームは黒色に、
タンクは赤色に塗り直す予定だしクラッチの調子も良くないようなので、
まずはエンジンを下ろすことに。
エンジンは比較的軽い やはり全バラでしょうか?
エンジンを下ろしてしまえば力仕事はほとんど無い。
まずはキャブレターから。
インシュレーターごとシリンダーヘッドから外してみると
何やら見慣れぬ物体がある。
以前にこのエンジンに手を付けた樵の巨匠が組み間違えたのかと思ったが、
パーツリストを確認すると「アトマイザープレート」という部品。
少々調べてみると、キャブレターの開度が6~7割程度の時に
断面積を7割程度に抑えて流速を上げガソリンの霧化を促す働きがあるらしい。
KEIHIN PW24 変質したガソリンで汚れている内部
このアトマイザープレートも当時の最新技術のひとつらしいが、
その後採用された形跡は無い。
以前にリストアしたCⅡ92のキャブレター、
PW18/PJのパワージェットシステムもそうだったように、
当時、メーカーが様々な試みをしていた事がうかがえる。
緑色に変質したガソリンを洗浄している時に気が付いたのはフロートのクラック。
それも1ヶ所だけではない。
真鍮製のフロートの場合、
合わせ面のハンダが切れてガソリンがフロート内部に入り込む事があるが、
それは問題無さそうだ。
注文しなければならない部品のリストにこのフロートも書き込んではみたが、
修理に挑戦しなければ「チェンジニア」と呼ばれてしまう。
丁寧に洗浄しクラックにハンダを流し込んでみることにした。
フロートのクラック ハンダで補修
変質したガソリンや固着した部品を
解体しやすくするためのケミカル剤が市販されていて、
特にキャブレター内部の洗浄には有効なようだが、
実は使ったことが無い。
今回活躍してくれたのは某社のキャブレター&インジェクションクリーナー。
この種のクリーナーの中にはゴム製品を溶かしてしまうものもあるため、
説明書きに書かれているように直接キャブレターに直接吹き込む、
なんて事は考えたくもないが、
変質したガソリンやオイル類をきれいに溶かしてくれるものもある。
商品によってはまったく効果の無いものもあるが・・・。
固着した部品については鍋で煮るのがイチバン!
今のところ鍋の出番は無いが、固着が激しいほどいい出汁が出る(?)。
解体したてのキャブレター このくらいきれいになれば満足
シーズン真っ盛りの5月に着手してしまったので、
今回は部位ごとに作業を終わらせないと解体したまま放置することになりそうだ。
キャブレターの次はエンジン本体かな?