憧 憬 の 轍

 
憧 憬 の 轍
 
 
 
2016117日 やっと暖機運転が終わりました
 
 
 
阪神淡路大震災から早いもので21年。
 
地震と言えば5年前の東日本大震災を昨日の事のように思いだすが、
 
壊滅状態の神戸の街の映像や時間を追って
 
増え続ける犠牲者の数に言葉を失った事も忘れられない。
 
早朝のラジオのニュースで神戸はもとより
 
東日本大震災の被災地でも追悼式が催されることを知った。
 
災害から得た幾つもの教訓を伝え続けるためにも
 
語り継ぐ事は大切な事だと思った。
 
 
 
エンジンはかかっていても今ひとつ回転数が上がらなかった
 
初期型XL125、なんとなく今朝は暖機運転終了!  って感じかな?
 
ハーネスを仮付けしてみる。
 
「樵の巨匠」は古いテープを剥いで螺旋状の
 
コードクランプで纏めていたので作業は楽だ。
 
ボディアースの位置やコイルの位置を確認しながらテープを巻き直す。
 
ハーネスは言わば大動脈。
 
緑青だらけのギボシは銅線にも錆が及んで黒く変色しているので、
 
躊躇無く切り捨てて新しいギボシに替える。
 
ギボシにはハンダを施し通電性と強度を確保。
 
たった1本の配線が導通不良のために
 
長い時間を修理に費やした事がこれまでに何度かある。
 
電気は見えないだけに厄介だ。
 
 
イメージ 1  イメージ 2
はやくスタンドを治さないと・・・                      ライトケースとブラケットがぶつかる
 
メインハーネスとハンドルのスイッチ類の接続部分は
 
ヘッドライトのケースに収まる。
 
預かった部品の中にあったケースは
 
底部にふくらみがあって配線類を収納しやすそうな形状。
 
しかしそれ以前に問題なのは
 
ライトケースやメーター類を取り付けるブラケットが変形している事だ。
 
フロントフォークのインナーチューブに
 
ピタリと当たるはずのクッションが浮いた状態だ。
 
このクッション材は注文した時点で
 
既にメーカー在庫18個と欠品寸前のものを手に入れただけに、
 
きっちりと付くべきところに付いていてもらわなければならない。 
 
現物合わせと修正を繰り返して使える状態になったが
 
今度はライトケースが問題。
 
どうやらこの車種のものではないようだ。
 
配線を収納しやすそうに思えたケース底部のふくらみが
 
ブラケットの一部に干渉してしまう。
 
発売当時の写真などから察するに
 
このライトケースは後継モデルのXL125Sのもので、
 
初期型は底部にふくらみの無いシンプルな
 
砲弾型のケースが使われていたようだ。
 
イメージ 3  イメージ 4
ブラケット修正前                                  修正後
 
 
ライトケース廻りの作業は一時中断。
 
配線の位置を確認する目的でハンドルも仮付けしたので
 
スイッチ類も点検する。
 
予想通り古いグリスに付着した埃が
 
固化し配線を留めているプレートも錆だらけ。
 
虫の繭のようなものまで出て来て
 
小さな部品ながらやりがいのある(?)作業。
 
イメージ 5  イメージ 6
予想通りとは言え・・・                               プレートは錆を落として塗装
 
車体と一緒に「樵の巨匠」から預かった部品には
 
後継モデルのXL125Sのエンジンまであるばかりか
 
車種不明の部品も多く含まれている。
 
共通する部品や流用できる物も少なくないはずだ、
 
と考えて部品をストックするのは自分も同じだ。
 
彼がスクラップの山の中からこのバイクを発見する前に
 
ヘッドライトはケースごと破損し、
 
そのためブラケットも歪んでしまった、
 
と考えれば辻褄が合う。
 
タンクを再塗装する時に見た「溶接とパテ補修の嵐」も
 
このバイクがスクラップになる運命だった事を物語っている。
 
夜になってからヘッドライトの事を調べ直すと
 
手元にあるのはやはり後継モデルのXL125Sのもので
 
ブラケットの形状も変更されている事が分かった。
 
初期型XL125はどうやら
 
エルシノア125に使われているライトケースと同型のようだ。
 
エルシノア(MT125ELSINORE)は1973年から1975年にかけて
 
販売されたホンダ初の2ストロークエンジンを載せた
 
オフロード・モデルとして知られている。
 
初期型XL1251975年。
 
ホンダのこのカテゴリーの車種が2ストロークMTから
 
ストロークXLに継承された事からも、
 
同型のライトケースが使われていてもおかしくない。
 
さらにメーター類やブラケットの形も良く似ている。
 
 
 
余談だがホンダは車名にレースのタイトルを用いるのが得意だと思う。
 
事実ELSINOREもカリフォルニアで開催される
 
”ELSINOREGrand prix”から命名したものだし、
 
XL250R/125RPARIS-DAKARは言わずと知れた
 
”PARIS-DAKARRALLY”から、
 
XLの後継モデルのXLRXRには”BAJA”命名された車種がある。
 
ELSINOREPARIS-DAKARBAJAもレースのタイトルだ。
 
さらにイーハトーブと名付けられたトライアル・モデルは
 
毎年岩手県で開催されるトライアルレースの名前だ。(エスペラント語?)
 
カワサキNinjaスズキのHAYABUSAKATANA
 
バイク好きなら外国でも通じる単語になってしまったの
 
すごい事だと思う。
 
 
さらに余談だが以前、
 
米軍人から「Ninjashoe」を買いたいと言う相談を受けた事がある。
 
よく聞くと地下足袋の事だったのだが、
 
アメリカには“Ninja School”なるモノまであり、
 
アメリカの忍者達はNikeを履いて野山を駆け回っているらしい・・・。
 
またアメリカでは”Ninja-Uniform”も通販で買えるとの事だった。
 
さらなる余談として、
 
U.S.Aには“YAKUZA series”と命名された自転車もある。
 
最高級モデルが「KUMICHO-組長」、
 
次いで「総本部長」、
 
「若頭」、「伯父貴」、「兄貴」、「博徒」と続き、
 
最も安価なモデルは「CHIMPIRA-チンピラ」。
 
価格にも上下関係が反映されていて
 
「組長」1台で「チンピラ」が3台買える。
 
 
チンピラのスペルはCHINPIRAではなくCHIMPIRA
 
いずれにしてもフレームにデカデカとYAKUZA
 
と書かれた自転車に乗る度胸は無い。