憧 憬 の 轍
2016年3月13日 近づく春を感じて
前回の記事にジョージ・マロリー(George Herbert Leigh Mallory)
の名前を書いてからいろいろと思い出したこともあって改めて調べてみた。
やはり彼は「そこに山があるから」と答えてはいなかった。
「なぜエベレストに登りたいのか」
と問われて返した答えが『Because, it’s there』。
この言葉をどのように解するかは意見の分かれるところだろうが、
繰り返される同じ問いに辟易として
「それがそこにあるからだ」と言ったのだと思う。
彼にとって“それ”も“そこ”も
エベレスト=チョモランマ=サガルマータ、
単に「地球上で最も標高の高い場所」以外の何物でもなかったのだろう、
と考えている。
シートが一段落してエギゾーストパイプを何とかしなければ・・・。
今日は作業を中断してスクラップ屋巡りでもしようと思っていた。
軽自動車や小型のバイクのマフラー周りなら
使えるモノがありそうだと考えていたからだ。
XL125Sのエギゾーストパイプと同径の
外径約29㎜φのパイプ材は意外な所で見つかった。
早速マフラーと繋ぐためのパイプを作るために曲げ加工に取り掛かる。
このパイプ材の正体は?
なんと、作業場の敷地に2年前から放置されていた自転車のフレームだ。
持ち主が乗り捨てたのか、
盗まれて放置されたのかは定かでないが、
いずれにしても迷惑な粗大ゴミだった。
灯台下暗し、とはまさにこの事。
それにしてもこの2年間、
ボロボロになりながらも敷地の片隅で
誰にも拾われずにそこにいたのは運命としか言いようが無い。
ありがたくサンダー片手に1分足らずで採取作業完了。
ひと通り先が見えてきたので、
前後のフェンダーの塗装や
タンクとサイドカバーのクリア仕上げの準備のためにも
後輪やリアブレーキを組み付けてみる。
こうしてバラバラだった部品が
少しずつバイクらしくなっていく過程は本当に楽しい。
昨年5月にバラし始めてからおよそ10ヶ月、
ちょうど遊びに来ていた92ブラザース(弟)に手伝ってもらい
ビール箱の作業台から降ろした。
まさかチャリンコのフレームが使えるとは・・・ およそ10ヶ月ぶりの“着地”
週末の作業場には“常連メンバー”が次々に顔を出してくれる。
過積載軍団2号車のR氏は相変わらず魚釣りと
御馴染みの「ジャミフレンズ」も晴天を受けてやっと始動したようだ。
2st将軍は格安・大盛りの食堂巡りに忙しい。
フェンダーの修復素材を入手したタカは
サンダーで“ジャミジャミ”したフロントフェンダーの切除と
孤軍奮闘!
親玉のKENの叱咤激励(罵声とも言う)を受けながら
愛車に火花を散らす姿は修行僧のようでもあるが、
顔を覆うタオルのせいで
昼食をとりに出たついでに立ち寄ったタカの青空ガレージ。
付き合っていると自分の作業が進まなくなりそうなので、
早々に退散して作業場に戻る。
エギゾーストパイプの件も一応先が見えて
両方とも純正部品は既に欠品。
同じ物を使っていそうだと考えたが
メーターギヤと接続する部分の形状までは確認できない。
ストックしている中古部品のケーブル類を一本ずつ確認してみると・・・、
「あった!!!」。
エギゾーストパイプを作るためのパイプも
クラッチのケーブルも見つかるなんて今日は大安吉日か?
純正のステーはフェンダーの上に回り込む様に作られている。
「主役であるべきフェンダーのラインを裏方であるステーが邪魔してはいけない!」。
こんな話で盛り上ってしまうものだから作業が予定通りに進むはずがない。
本来の納まり こんな風に納めたいと・・・
裏方は裏方らしく裏に回りこんで主役を支えなければならない。
確かにそうだ。
しかしこのフェンダーとステーは本来、
別々に設計された物で、
断面形状は一致していない。
この違いを埋めるためにはスペーサーが必要だ。
FRP? 金属? ゴム? 悩んで今週も週末が終わった。