憧 憬 の 轍

憧 憬 の 轍


20161127 回帰、そして諦念にあらず



いつの頃からか手紙を書かなくなった。


ファクシミリやメールの普及が原因だが書かなくなったのは手紙だけではない。


ペンを持って字を書くと言う行為自体が激減した。


届く郵便物を見ても宛名さえ印字されたものばかり。


読めても書けない字が日増しに増えている。
 




『林道1号』と『林道2号』のXLR250Rの作業は一段落し、


それぞれ追加注文の部品を待つ間、


スポークの錆落しやヘッドライトのフレーム修正など、


気になる部分に手をかけている。


2台まとめてPhoenix”のKSRⅡのエンジンも

クランクピンの入れ替えを終えたクランクシャフトが内燃機屋から返ってきた。

トラブルの原因だったクランクピンとベアリングは見るも無残な姿!



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コンロッドが気持ちよ~く回る                     無残・・・としか言いようが無い
 
クランクピンもビッグエンドのベアリングも新品と並べて比較してみたいところだが


新品はすでにクランクシャフトに組み込み済み。


ダメージだらけの部品はクリアケースに入れてしばらく作業場に展示する事にした。


それは『林道2号』のためにではなく、メンテナンスを怠らないようにするための、


ひとつの警鐘として。


後で「手にとって御覧下さい」と書いておくのもいいかもしれない。


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削れた部分が痛々しい                         名付けて「戒めの部品」
 
クランクシャフトを組む前にウォーターポンプのメカニカルシールを交換しなければならない。


トラブルを起す数ヶ月前に、僅かに漏れた冷却水がオイルに混じって白濁していたのを見ていた。


カニカルシールは圧入されているため、専用工具を用いるのが一般的だ。


とは言え今後使う予定の無い工具を買うのも・・・。


とりあえず値段を調べてみると、少なくても野口英世3人分、


モノによっては福沢諭吉のお出ましとなる。


永久凍土状態のフトコロは人材不足なので、代用できるモノを探したのは言うまでもない。


この種の努力を惜しまないのも作業場の流儀だ。


カニカルシールや圧入部分の寸法を測った上でホームセンターへ。


見つかったのは塩ビパイプ。税込価格41円也。


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解体したウォーターポンプ部分                     万力でゆっくり圧入 


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カニカルシール、無事圧入完了                    ウォーターポンプに限らずガスケットはパリパリ
 
クランクケースを合わせる前にやっておかなければならないことはまだある。


合わせ面にはガスケットが入らないので、


他のあわせ面のようにパリパリに張り付いたガスケットをこそげ落とす作業はしなくても良いが、


残っている液体ガスケットはきれいに除去しなければならない。


さらにクランク室の内部に残っている傷の処理。


えぐれている部分は手の施しようが無いのでササクレ立った部分をリューターで削り少しでも滑らかにする。


ミッションやシフトフォークの動きも再確認しなければならない。


いつもの事ながらクランクケースを合わせる作業は緊張する。


緊張と言うより何か忘れている事がありそうな気がして仕方ない。


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安物でも十分役に立つ                         ミッションを仮組して動作の確認
 
ひとつずつパーツリストを確認しながらの慎重な作業が続く傍らで


『林道2号』はXLR250RKの最終チェックに忙しい。


その勢いはチェーンが付いていなくてもバイクが走り出しそうなほどだった。