憧 憬 の 轍
2017年4月9日 CHROMA-0
カラーフィルムで撮影した古い写真をモノクロに置き換えてみると、
全く別な写真に見えることがある。
白色と黒色の間に存在する無数の無彩色。
言い換えるなら濃淡。色に誤魔化されていた、
あるいは誤魔化していた視界。
初めて見える視界があると言ってもいいかもしれない。
所詮、可視光線しか見えないのだと思えば、
「色即是空、空即是色」そんな言葉も脳裏を過ぎる。
改めてカレンダーを見れば大型連休まで3週間。
恒例の春一番ツーリングの準備もそろそろ始めなければならない。
タンクの再塗装とブレーキのオーバーホールを終えた
CB50改も“手術室”から待合室へ移動。
マフラーやチェーンを付けて後は試走するばかりに。
ブレーキの感触は走ってみなければわからない。
右側のウインカーの調子が悪いようだったが
ソケットの接点不良だったようで・・・。
「久しぶりに乗ったら速えぇ~」とか言いながら去り際の乾式クラッチの音、
カッコイイんだよな~。
“待合室”に移動したもう1台はSuzuki LOVE Three。
ただしこれは修理完了で移動したのではなく、いわゆる“ドナー待ち”。
最後の最後に分かったのはジェネレーターの異常。
電圧が安定しない、どころの話ではなく、
イグニッションコイルがイカれた原因もそこにあったようだ。
代替え部品が見つかるまではサンちゃんことS氏の物置で待機してもらうことになった。
昨日まで所狭しと並んでいたCB50改と『林道2号』のXLR250R(MD22)が移動して
作業場にはまだドンガラ状態のC92-Rだけが残っている。
その分、“待合室”は越冬組や手術待ち車両で実に賑やかだ。
昨年末にグランパ・O氏から“軽い手術”のために預かっていた
Super cub90はモナカマフラーと行燈を付けて持ち主の元へ帰ったが、
代わりに預かったのはO氏の「寺社仏閣コレクション」の1台CS92。
O氏曰く「寺社仏閣のデザインはこのハンドルがなければ完結しない!」
Tブラスト工業によって塗料は丸裸に 入手時の状態
以前、O氏のC92をレストアしていた頃、
散々語り合ったデザインについての話は今も忘れていないだけに
昨年手に入れたCS92のパイプハンドルは自分も気になっていた。
既存の塗装の剥離作業に自前のサンドブラスターは役に立たず、
ヒロさんことT氏に“外注”してあったハンドルは研磨までしての納品。
O氏もT氏も体形は左門豊作に近いが・・・。
ところでこのCS92の色、ロイヤル・ブルー。
純正色は既に廃版になっている。
ベース色用に純正色のコバルト・ブルーを用意した。
極力ロイヤル・ブルーに近い調色と
ハンドルをマウントするためのブラケットを作るために、
慌ただしくも楽しい日々がまた始まったようだ。
この色に合わせなければならない オーナメントの再生作業も始めた
そんな中、またしてもチェーンソー。
昨年から薪ストーブに凝り出し「樵見習い」になった
過積載軍団2号車のR氏が持ち込んだHusqvarna。
元来はスウェーデンの銃器メーカーながら
2ストロークエンジンを載せたモトクロッサーは“信者”ともいえる愛好者がいる。
日本では「ハスクバーナ」と表記されるが
スウェーデン語に忠実に発音すると「フウースクバーナ」らしい。
某オークションで入手したとの事で、
所詮は中古品なので細部までチェックしてから使うべきだったが、
サクランボの木を切っている最中に
チェーンオイルが供給されていない事に気付いたとか。
“出戻り状態”のHusqvarna、重傷を負っていないことを祈りながら解体決定。
今年の桜前線はかなり遅いペースで北上すると聞いていたが、
ついに福島からも満開の知らせが届いた。
弘前でもロトウザクラが咲いたらしい。
今後、天気が大きく崩れなければ再来週の週末あたりは近所でも花見が出来そうだ。