彷徨への誘い(たびへのいざない)

 
 

憧 憬 の 轍

 
 
 

201764 彷徨への誘い(たびへのいざない)

 

 

 早いものでもう6月。今年ももうすぐ半分が終わる。

 

そんなことを何度口にしてきた事だろう。

 

言葉の裏側にある夏へのあこがれや冬からの解放感は否めない。

 

眠れない夜には地図を広げて遠い旅に思いを馳せる。

 

奄美・沖縄地方は今が梅雨の最中ながら北東北では晴れ間が続く。

 

世界地図の中では小さな日本も、

 

実はこんなに広かったのだと感じながら眺める大陸は果てしなく大きい。

 

許されるなら、せめてこの日本と言う国の北の果てから南の果てまでを

 

時間をかけて旅してみたい。

 

 

 

 
 先週の“パンク修理祭り”のYAMAHA セロー225は

 

前後輪共にブレーキが末期症状だとオーナーのタケちゃんマンに伝えたところ、

 

すぐにでも治したいとの事だったのでオーバーホール決定。

 

この週末に間に合うように注文した部品も届いている。

 

 メーターのトリップカウンターは40,000㎞を既に超えている。

 

バイクに必要なのは“走れる”こと、そして確実に“止まれる”ことだ。

 

タケちゃんマンは後輪がパンクしているにも拘らず平気で40㎞近くを走るツワモノだ。

 

旧知のサンちゃんことS氏を介して出来た付き合いでもあり、

 

今後も作業場に遊びに来るようであれば素人メカニックながら出来る事はしてあげたい。

 

 

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どこもかしこも「かなりイッテます!」                               この距離でほとんどメンテされていない
 
初めてタケちゃんマンが作業場を訪れた時の事、
 
いわゆるパリダカタンクを載せたXL250RMD03)を見て開口一番に言ったのは
 
「このバイクならどこまでいけるんだ」だった。
 
76歳にしてまだ“現役の旅人”のようだ。
 
 
 
まずは後輪から。
 
リザーバータンクからマスターシリンダー、
 
キャリパーに至るブレーキホースのとり回しからエアが抜けにくそうに思えたからだ。
 
簡単な作業と難しい作業とをしなければならない時は難しい方から手を付けることにしている。

 

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エア抜けの悪そうなホースのとり回し                                       ブレーキローター新旧
 
 
前輪同様にピストンが固着しかけているので油圧で出せるだけ出してからホースを切り離す。

 

ピストンの側面に千切れたダストシールが張り付いている。

 

オイルシールは何とか機能していたようだが、固形化したブレーキフルードにまみれていた。
 
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後輪のブレーキローター                                            前輪は厚みがほぼ半分に
 
 
 
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キャリパーを外した状態 ダストシールの溝がヤバい                       チョイとカリカリでこんな状態
 
 
 シールが収まる溝の清掃には歯石や歯垢をとるための道具が役に立つ。

 

¥100ショップで見つけたモノだ。

 

根気のいる作業だが挫ける訳にはいかない。

 

固形化したブレーキフルードがシールの溝で成長しすぎてピストンの動きに影響している。

 

千切れたダストシールから想像はしていたがオイルシールの溝もほぼ同様の状態。

 

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けっこう役立つ¥100ショップ                                 パッド(後輪)を抑えるシャフト 左が清掃後
 
 
 先端をカギ形に曲げた針状の道具でカリカリする事15分。

 

その後真鍮ブラシでシャコシャコと。

 

再びカリカリ、そしてまたシャコシャコ。

 

手を付けたからには異物は全面撤去するのみ!
 
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ダストシールの千切れた前輪ブレーキ                               ピストンを外した状態
 
 
 
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ピストンはこんな状態                                           シールはボロボロ
 
 ブレーキのオーバーホールを終えたYAMAHA セロー225

 

タケちゃんマンは小雨の中を帰って行った。

 

メンテナンスが必要なのはブレーキだけではない。

 

あれもこれもと数え上げればキリがない。

 

彼の事だからしばらくはブレーキに気を使うことはなくなったと

 

今頃は酎ハイでも片手に次の旅の事でも考えているに違いない。
 
 
 
 
 
 
閑話休題  うるさい、ウルサイ、五月蠅い、六月蠅?
 
 
昨日から部屋には迷い込んだ1匹の蠅がいる。

 

“五月蠅い”とはよくぞ言ったものだ。

 

五月の蠅はウルサイ。そして六月の蠅はもっとウルサイ!!!

 

テレビを観ていれば目の前を横切る。

 

読んでいる本の片隅に停まる。

 

さらに寝ていれば遠慮なく顔に停まる。

 

停まったかと思えば飛び、飛んだかと思えば停まる。実に落ち着きのない蠅だ。

 

しかしながらこれまでに見た蠅の中でこれほど速く飛び回り、

 

かつ迷惑極まりない蠅はいなかった。

 

 霊長類の威信にかけてこのコウルサイ蠅を

 

何としても今夜中に仕留めなければ気が済まない。
 
蠅の世界で最速を自負しているであろうこの蠅に敬意を表し、
 
殺虫剤と言う手もあるが蠅叩き代わりのスリッパで叩き落してやらなければ気が済まない。
 
「真剣白刃取り」ならぬ「飛び蠅スリッパ取り」を繰り返すこと約40分。

 

 
ざまぁみろ、これが人類の英知だ。

 

やっとこれで眠れる。

 

時計の針はもうすぐ午前3時を指そうとしていた。