Over REV.


憧 憬 の 轍



20171119日 Over REV.

 

  11月も半ばを過ぎて朝は布団が恋しい。

 

それでも週末の朝は普段の朝より早い。

 

バイクと言う機械が無ければ前夜は明け方まで酒を飲み、

 

昼過ぎまで寝ているかもしれない。

 

初雪も降ったことだし。

 

先週に必要と思われる部品は編集長が注文し手元に届いているが、

 

解体して初めて必要になる部品もある。

 

再組立て前にそれらの部品を手配しなければならないので、

 

ギヤをはじめ可動部分の状態には注意を払わなければならない。

 

 エンジンの外側は油と泥にまみれ、

 

内側は劣化したオイルスラッジにまみれている。

 

これらを全てきれいに取り去ったところで飛躍的に何かが変わる訳では無い。

 

それでも、少しでもエンジンや車体のストレスを軽減して走りたくて、こんな事をしている。

 
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50年分の垢落し                          

 

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 “入浴後” さっぱりした~

 

 これまでの経験から得た教訓は「焦らない」こと、そして「急がない」こと。

 
自分は所詮素人であり知識も技量も半人前だと言う事だ。
 
憶測で作業を進めるのではなく稚拙ながらも理解する事が大事と思っている。
 

 4本のうちの2本が錆び付いていたシリンダースタッドボルトを抜く。

 

ダブルナットを掛けてもビクともしないので

 

バーナーで炙りながらロッキングプライヤーを使った。

 

3本は抜けたものの4本目はスルリと回りだしたかに思えた次の瞬間、折れた。

 

と言うより破断した。

 

すぐに純正部品を手配したところ「メーカー在庫8個」!

 

 

 折れてしまったボルトは諦めるしかないとして、

 

クランクケースに残ったボルトが問題だった。

 

潤滑剤なんて意味も無く、炙ってもダメ、エキストラクターも役に立たない。

 

結果的に折込んだボルトの除去には成功し、

 

方法は「企業秘密」と言いたいところだが、単に写真撮ってる余裕がなかっただけ。

 

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捻じ切れてしまったスタッドボルト               

 

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ピストンリング(オイルリング)の新旧 

 

 

 クランクケースの油洗が終わった頃に編集長が登場。

 

何もさせずに帰す訳にもいかないので、

 

合わせ面をオイルストーンで磨いてもらう事にした。

 

ガスケットの型抜きとかステップの修正とか、楽しい作業はまだまだあるよ~!

 
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オリャー、気合入れて磨けー!                 

 

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次はガスケット げんのうを持ったらさすがプロ

 

 編集長の献身的(???)お手伝いもあって腰下部分の作業は加速度的に順調。

 

注文済みのシリンダースタッドボルトは明日でなければ届かないので

 

次の週末まで腰上は組めない。

 

ならば腰下だけでも組んでしまおうと言う訳で

 

シリンダーヘッドもシリンダーも洗油にもう一度“入浴”してもらう事にした。

 

 

 それにしてもオイルスラッジを洗い流したクランクケースの内部の状態は良好だ。

 

ベアリングも抵抗無く回るし、

 

カムやロッカーアームに気になる傷や擦れも見当たらない。

 

もちろんギヤ類にも。

 

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ギヤ類もバラシて洗浄                      

 

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もちろん欠けはない

 
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クランクシャフトもギヤ類も組んで・・・              

 

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クラッチも載せて

 

 ジェネレーター側も組んでしまうつもりだったがシリンダースタッドボルトが無いので、

 

カムチェーンの事を考えると腰上と一緒に組んだ方が都合良い。

 

今日の作業はこれまで。

 

 

 編集長のCS90だけでも作業場はレッドゾーンまで回った状態なのに、

 

“火に油を注ぐ”と言うか、

 

圧縮比を限界以上に上げる「寺社仏閣症候群」の親玉、

 

グランパ・O氏。

 

なんとCL125のマフラーとNOSのヒートガードを入手していた。

 

「このサイレンサーを取り払って・・・」。

 

彼のアタマの中では既にこのバイクは走り出している。

 

 

さらに今日の「お土産」はCB93のエンジン。

 

センターカムチェーンの初期型だ。

 

某コレクターが部品取り用のスペアとして保管していた物らしい。

 

フィンに詰まって石化した泥と言い、

 

塗料のカケラも見当たらない外観と言い、その中身は想像に難くない。    

 
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フレームもエンジンもマフラーも                


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 「このエンジン、ホントに動くのか?」とO氏は言う

 

 主な“材料”はほぼ揃ってしまったと言わなければならないのだろうか? 

 

それにしても、とんでもないプロジェクトを引き受けてしまったものだ。

 

もう意地でやるしかねぇべ!!!

 

 「世界に1台しかないスペシャル・マシーンを作るのぢゃ!」。 

 

盛り上がっているのはO氏だけではない。

 

その姿は仮面ライダーに何度負けても世界征服を諦めない

 

ショッカーの首領にも勝る不屈の魂、

 

瞳には今まだ鉄クズ同然のC92-Rが走る姿が映っている!

 

危ねぇ~! ヤバいオヤジ達の週末は今日も危なく熱く激しい。

 

まさしくDANGEROUS! 

 

 

 

追記  I’m COMBAT MAN

 

 前回、パンツを話題にしたところ沖縄県在住の方から直接メールをいただいた。

 

「パンツはいてる?」って女性からこんなメールを貰うと意味も無くうれしくなってしまう。

 

沖縄式イントネーションで「バカか、アイツは!」などと言いながら

 

側で島酒を飲んでいるダンナ様の姿が目に浮かぶ。

 

このダンナ様一家には常々お世話になっているので、

 

この場を借りて御礼を申し上げます。

 

 かつて中華鍋を話題にした時も岩手県の一部ではウケていたようだった。

 

まぁ、考えてみれば、古いバイクやエンジンがどうしたこうしたって話題は、

 

一部の“中毒、あるいは症候群”に感染した者達の話題であって、

 

興味のない人には何の意味もない情報なんだよな~。

 

そんな情報をタレ流すこのブログはまだ当分終わりそうにない。

 

 たまにはバイクと無関係な事も書きますので、

 

気が向いたらブログにコメント入れてやってください。

 

 

 

オマケの画像

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目つきが尋常じゃないのぢゃ!