憧 憬 の 轍
2022年2月6日 地道に
2月を迎えてから真冬日ではないとしても最低気温が-10℃近い日も多くなった。
旧暦の2月は如月だが「衣更着」とも言うらしい。
「衣を更に着重ねる」季節と言う事だ。
ヒカンザクラや梅の開花の便りも届いているが、冬本番の東北地方には遠い国の話に聞こえる。
いつも気になっていた事のひとつはスタッドボルトのネジ山だ。
ネジ山には転造加工と切削加工があり、転造加工の方が約1.5倍の強度が得られると聞いた事がある。
使われる部位によって転造だったり切削だったりする訳だが、その判断基準が知りたい。
知りたいのは転造と切削との判断基準だけではない。
ほとんどのボルトやビスにかかる引張強度や捩じり耐力の限界値も知りたい。
要は規定通りのトルクをかける事が出来ればいい訳だが、興味は尽きない。
「オモラシ君2号」ことHONDA CS90のシリンダーやヘッド、ヘッドカバーまでを一括して抑えるシリンダースタッドボルトにはAとBの2種類がパーツリストに記載されている。
5年前、このリストの部品品番に従って取り寄せたのだったが、その長さに疑問を抱き続けて来た。
古いパーツリストの誤記や判断のし難い表記にはある程度慣れたつもりだった。
それでも納得がいかなくて輸出用のMD90 のパーツリストを海外のサイトで検索した結果、末尾の3ケタが違う物が見つかった。
4本ともシリンダースタッドBの長さで無ければ納まりが悪い。
オイルラインに使われている物以外は同じ物が必要だった。
シリンダースタッドAとBの違いは全長だけでなくクランクケースにネジ込む部分の寸法も違う。
一度ヘリサート加工している雌ネジ部分の深さとシリンダーヘッドカバーまでの長さを考えてボルトに少々手を加えた。
パーツリスト通りのボルトだとクランクケース上面から先端までは181mm程度だが、新しく用意したボルトなら187mm程度となる。
実際このくらいでなければヘッドカバー上で余裕を持ってナットが締められない。
スタッドボルトの事が一応解決したので、改めてシリンダーを組んでみる。
ロッカーアームやカムチェーンなどの事もあるがヘッドカバーまで仮組してみた。
本締めはまだ後だが納まりに問題は無いようだった。
作業が順調に進む「オモラシ君2号」ことCS90の傍らで、「オモラシ君1号」ことKAWASAKI W1のクランクケースのサイドカバーやシリンダーのサンドブラスト作業を始めた。
クッソ重たいシリンダーは手に負えないかもしれないのでクランクケースカバーから。
アルミナ#50でブラストするのは両方のサイドカバーとシリンダーだけ。
今回は重曹でのブラストも試してみたいので早く終わらせたいが、放熱フィンの深さと間隔の狭さのため、思うように作業が進まない。
「オモラシ君2号」ことCS90は『編集長』が根性と気合でカーボンを落したシリンダーヘッドにバルブを入れて密閉検査。
カーボンの噛み込みが少々あったが燃焼室に溜めたオイルは漏れない。
一方、「オモラシ君1号」ことKAWASAKI W1のシリンダーはサンドブラスターの中で正しく悪戦苦闘中だ。
クソ重たいだけでなく残っている塗料も頑固だ。
こんなところまでKAWASAKIだってか?
回り続けるエアコンプレッサーの音が耳に残っている。
晩酌を始める頃には気にならなくなったが腕や指が吊りそうな1日だった。
改めてカレンダーを見ると既に節分も立春も過ぎている。
鬼は外、福は内。
実は鬼が外で笑い、福は内で怯えているのかもしれない。
そして暦の上での話だが春と聞くと騒ぎ出す虫もいる。
外が氷点下でも少しだけ気持ちが上向くのは晩酌のせいではない。
閑話休題 夏炉冬扇・・・疑問
それにしてもこの2年間、パンデミックが始まって以来、この国は何をして来たのだ。
この期に及んで「みなし陽性」って何だ。
「検査無しに医師の判断で感染者とみなす」って、誤診だったら誰が責任をとるんだ。
保健所だけでなく医療体制に赤信号が灯り始めているのなら、マスクの保管や配送に10億も使っている場合じゃねぇ!
今さらの話だが・・・、我が家には未だに「アベノマスク」が届いていないし、届く気配すらない。