徒手空拳


憧 憬 の 轍




201883日 徒手空拳



 二十四節気大暑から10日あまり、来週には立秋を迎える。

 

北東北では「盆が過ぎれば秋」と昔から言われてきた。

 

すなわち今が夏の盛りなのだろうが、それにしても暑い日が続いた。

 

「想定外の~」とか「これまでに経験のない~」とか「観測史上初の~」とか。

 

常識が既に通用しない。

 

東から西へ移動した台風、


2年前の1月に沖縄で観測された初めての「雪」、

 

変化に対応できないままうろたえているのは常識に縛られた人類だけかもしれない。

 

 

 

 

 

GB250のキャブレターはKEIHIN VE17型、国産の250ccクラスでは最大径の38㎜。

 

メインボア断面は長穴、負圧式でエアカットバルブが付いている。


2度解体したが内部はきれいだった。

 

エアカットバルブ内部に細かな異物が堆積していて、

 

初めはこれを原因と考えていた。

 

組み直して取り付けると何事もなかったようにエンジンは良く回るし、

 

アクセルの付きも良くなる。そして4050Km走ると調子が悪くなった。

 

3回目に解体した時にスロットルバルブが中途半端な位置で止まっている事に気付いた。

 

 

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貼り付いた状態のバルブ ピントが甘い!      

 

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ある程度冷えると動きが戻る事もある

 

 

キャブレター本体とスロットルバルブの間には僅かなクリアランスがあるだけで、

 

貼り付く理由が分からない。

 

混合気に含まれるガソリンが接着剤のような働きをするはずもない。


FCRやレーシングキャブレターの張り付きの話は聞いた事があるが、

 

それはエンジンの吸引力によるものだ。

 

 

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スロットルバルブのクリーニング開始        

 

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本体内部もけっこう汚れている

 

 

新しいスロットルバルブが欲しいところだが既にメーカー欠品。

 

何かが付着していて貼り付きの原因になっていると考えた。

 

ダイヤフラムが変化する負圧に敏感に反応出来なければアクセルにエンジンが反応できない。

 

仮に“何か”をキャブレターが吸い込みバルブに付着したとすれば

 

エアフィルター内部からと言う事になるし、

 

ガソリンを疑えばタンク内部からと言う事になる。

 

いずれにしても“何か”がスロットルバルブの動きを悪くしている事は間違いない。

 

数種類のケミカル系クリーナーやガソリンやシンナーなどの

 

油脂を溶かす効果のある物を使って出来る限りの大掃除! 

 

スロットルバルブを挿入する時にグリスやシリコンオイルを薄く塗る事もあるが、

 

今回はそのまま丁寧に組み立ててみた。

 

 

朝方、サンちゃんことS氏から電話があり

 

「古いバイクを貰った。ホンダの50年くらい前のものらしい」との事。

 

早ければ明日から天気は崩れ、

 

日曜日は雨らしいので仕事の合間にGB250の試運転を兼ねてS氏の別邸を訪ねてみた。

 

往復約80㎞、エンジンは気持ち良く回わり不具合は見られなかった。

 

 

 

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クリーニング終えたVE17             


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S氏が貰ったのは61年製のC92だった

 

 

先週末の「朝錬」が実は「朝修理」だった事は参加者と一部のメンバーのみが知る裏話。

 

なんと、特攻隊長のXLR250Rのエンジンがかからない! 

 

午前4時半の集合出発の予定が出発は7時を過ぎていた。

 

ひたすらキックスターターを蹴りまくり、

 

汗まみれになっても初爆すらしないエンジン。

 

シートもタンクも外し、キャブレターも外した。

 

パイロットスクリューの開度が規定値よりも1回転以上多かった。

 

同型のエンジンを積んでいるT氏のBAJA23回のキックでかかるのだから、

 

連日の高い気温は関係ない。

 

 

 編集長のGB250のキャブレター問題はとりあえず片付いたので、

 

後はT氏のBAJAのオイル滲みの修理を終えて、

 

本格的な秋が来る前に海辺でキャンプしたい。何と言っても夏は海だべ!

 

 

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729日早朝 「朝修理」の始まり                 

 

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こんな事がしたいワケで・・・

 

 

フュエル・インジェクションが当たり前の時代にあっても頑なにキャブレターが好きだ。

 

「キャブレターが付いていないバイクに乗るくらいならバイクを降りる」と公言している。

 

プログラムとインジェクションが作り出す完璧な燃調は

 

キャブレターが敵うものではない事は分かっている。

 

それでもキャブレターが好きだ。