憧 憬 の 轍
2018年9月9日 遠雷
台風21号は関西方面に甚大な被害を残して日本海を北上した。
被害の全容も報じられぬ間に、
今度は北海道で大地震。
以前も同じような事を書いたが
日本列島は既に被災地だらけの「災害列島」だ。
6日、朝から道内の知人や親戚に電話をかけてもつながらない。
テレビを観て7年前の東日本大震災の時と同じだと思った。
ホームセンターの客の長蛇の列も、
コンビニの空になった棚も、ガソリンを求めて並ぶ車列も。
残り少ないガソリンに灯油を混ぜたり、断水に備えて鍋に水を溜めたりした。
田舎なのでガスはボンベのLPGだが残量が気になった。
電気が無いだけで生活がままならない事を痛感した数日間の記憶が蘇る。
ろうそくの灯りが蛍光灯やLEDよりも優しく思えた事も。
電気が使えないだけで生活が成り立たないなんて、
薄氷を踏むような暮らしに慣れてしまったのかもしれない。
この度の北海道胆振東部地震で被災された方々に、心からお見舞いを申し上げます。
かつて暮らした北海道、ニュースで聞く地名に懐かしさを覚え、
同時に様変わりした景色に唖然とした。
それでも知人や親戚はすべて連絡が取れたのは昨日だった。
今日は我が街最大のイベント「航空祭」。
しかし目玉のブルー・インパルスをはじめ
その情報を知ってか知らずか、
昨日から他県ナンバーの車やバイクを多く見かける。
これもこの街の恒例の「現象」だ。
いつもなら航空祭の日は朝早くから出かける事にしていたが、天気が悪い。
朝から雨模様。
遠出を諦めて「プロジェクト・C92-R」に使う予定の
CB93エンジンのレストア作業に費やすことにした。
シリンダーヘッド解体
バルブホールに堆積していたのは・・・
このエンジンを本当に再生できるだろうか?
シリンダーヘッドを見ていると自信がなくなる。
そして必要な部品を手に入れられるか不安だ。
シリンダーは既に1.0㎜オーバーサイズのピストンまで用意してある。
堆積物を掻き出してみた
バルブ、アタリ面に錆は無い
錆を含んだ堆積物は右側のバルブ周りに多く見られた。
掻き出してみるとベットリと油分を含んでいる。
一部が固形化しているがバルブ本体が錆びているのではなさそうだ。
それでも最悪の事態を考えて純正部品を探ってみたが、
業者から返ってきた答えは「該当品番ナシ」。
たしかに古いパーツリストに書かれている部品番号は
現在一般的に使われている番号の構成と違っている。
同系列のエンジンを積んだ車種も多くあるので
流用できるものを探さなければならないが、
実のところこれが一番大変な作業だ。
出かけることを諦めて朝からクランクケースのサンドブラストをしていたが、
油混じりの石化した泥は異常に硬くて作業がはかどらない。
同じ姿勢は結構疲れるし、効率の悪い作業は飽きる。
年代物のエアコンプレッサーも御機嫌ナナメで
人も機械も休憩が大事だ。
気分転換は先週の漁港祭りまで実走した結果、
フュエルホースからガソリンが漏れていたJC58のキャブレター調整。
とりあえず一般的なフュエルホースで配管し、
改めてキャブレターの調整を試みた。
ホースは5㎜径の方がいいのだが
強敵! AMAL392
フュエルホースのジョイント部分は外径φ6㎜なので
内径5㎜のホースを使うべきかもしれないが、
ホースバンドが効いて漏れも滲みも無い。
このフュエルホースはほとんど手付かずのまま作業場のストック部品の中にあった。
以前、サイズを間違えて買ったモノだったかもしれない。
最終的には金属製メッシュでカバーされたオリジナルの状態に戻したいので、
その時までこのままにしておこうと思う。
キャブレターAMAL392は始動直後と暖機後の差が大きく完調には程遠い。
マニュアルもデータも無い状態での作業は正に暗中模索の五里霧中。
AMALのモノブロック型は創業当時のMIKUMIが手本にしたらしいが、
この392はフロート別体型。
「走るから、まぁ、いいか~」とは最後まで言いたくないが、
はっきり言って自分のレベルでは「手に余る(AMAL)」って
シャレにもならないダジャレで日曜日が終わる。
それにしても“飛行機が飛ばない航空祭”のおかげで静かな一日だった。
喧しかったのはエアコンプレッサーとJC58 の排気音だった。
来週は恒例の「秋の安全祈願大祭&ツーリング」の予定だ。
好天を祈っても、もうすぐ憂鬱な月曜日が始まる。
閑話休題 カンパーイ!!!