憧 憬 の 轍
2019年1月27日 期待と願い
昨夜の事だが、全豪オープンテニス(AustralianOpen)を大坂なおみ選手が制した、その興奮がまだ冷めない。
さらに勝手に上げた祝杯の酔いも冷めぬままだったが、朝から気分がいい。
昨夜の試合を振り返ると、試合内容以上に敗れたペトラ・クヴィトヴァ(Petra Kvitová)選手の試合後の笑顔が印象的だった。
試合中の険しい表情とは打って変わって穏やかな、そして優しい笑顔だった。
2014年のウィンブルドンの覇者ながら2年前、強盗に襲われて利き腕の左腕に大けがを負った。
そんな選手として絶望的な状態から4大大会の決勝戦に戻って来るまで、常人の成せる域を超えた努力があった事は想像に難くない。
それを乗り越えたからこその笑顔だったと思う。
勝者の涙と敗者の涙、意味は同じではないが二人が試合後に流した涙はどちらも美しかった。
ハンターカブC105の再生に向けてジャンク扱いのエンジンを入手した。
今日にも届くことになっているので、クランクケースだけでもサンドブラストや再塗装の準備をする。洗油から出して、まずは貼り付いたガスケットの除去から。
以前「ガスケットリムーバー」なるケミカル剤を買ったことがあったが、作業は思ったように進まなかった。
それ以来、貼り付いたガスケットの除去には塗料用の剥離剤を使っている。
塗布して少し待つだけで簡単に除去できる
どこもかしこも液体ガスケットだらけ
作業が一段落したので早めに昼食を・・・、最近新しく開店したラーメン屋にでも行ってみるか・・・、などと考えていると宅配便から電話が入った。
宅配便の営業所は作業場の近くにあるので、自宅に配達してもらうよりも自分で取りに行った方が都合がいい。
“海老蕎麦“という濃厚海老出汁が売りのラーメン屋は珍しさもあってか大盛況。
つけ麺がお勧めらしいが食べたのは煮干出汁のラーメン。
濃厚なスープと縮れのない麺との取り合わせは好みの分かれるところかもしれない。
ラーメン屋から宅配便の営業所へ。
早速梱包を解いて全バラ開始! パッカーンだ!
分かってはいたけど、見るからにジャンク
クランクケース、パッカーン!
「ジェネレーターが無い」との説明だったがマグネットホイールもコイルもあるので問題はない。
余った部品で再利用可能なものはストックパーツとして保管すればいい。
大魔神・O氏のコレクションにはC100もあったはずだ。
実働とは言えキッタネェ~エンジン まぁ、予想通り
カムには傷も錆も無かった
クランクシャフトはそのまま使える
プッシュロッドにも傷は無かった
ジャンク扱いとは言え一応動作を確認した物なので、ほとんどの部品はクリーニングすれば再利用可能な状態だった。
もちろんフィンの欠けたシリンダーヘッドや錆の目立つクラッチは論外だが。
日曜日だと言うのに、朝からいつものメンバーが誰も顔を出さない。
何かの行事でもある日だったのか、そんなことを考えていると編集長が、そして92ブラザース(弟)がやってきてしばしのエンジン談義。
来週は部品を比較して状態の良い方でエンジンを組むつもりだ。
少しずつ日が長くなってきた。もうすぐ2月。
2月を過ごせば春はもう目の前だと言ってもいい。
閑話休題 熱
第160回直木賞に真藤順丈氏の「宝島」が選ばれた事は前にも書いた。
多くの書評や選考委員のコメントに「熱」とか「熱量」と言う言葉が多く使われている。
1976年の第75回芥川賞と第19回群像新人賞を受賞した村上龍は、代表作のひとつ、「コインロッカー・ベイビーズ」のあとがきに「熱はあなたに届いただろうか」と自信に満ちた1行を書いた。
1980年の発刊からもうすぐ40年になるが、名作として称えられるだけの熱量に満ちていると思う。
熱はいわゆる「エネルギー」であり、多ければ多い程に伝わりやすい。
そんな物理的な事象と文章とが交わる空間に遊んでいると、何事に対しても必要なのは「熱」だと思った。
そしてその「熱」が紡ぎだすスピード感を伴う文章は興奮を伴う。
やはり何事においても重要なのは「熱」だ。