憧 憬 の 轍
2019年2月24 日 天秤ばかり
この季節に降る雨はふたつの想いを抱かせる。
雨が積もった雪を溶かしてくれるかも知れないと言う期待感と、
明日にはまた寒くなって雪に変わるのではないかと言う不安感とだ。
それでも日差しは確実に雪を溶かし、
うず高く積み上げられた雪の山もその嵩を減らしている。ただ風だけがまだ冷たい。
どんなに願っても祈っても人智の及ぶものではない自然。
畏怖の念と共に仰ぎ見た山や空や、あるいは海や星に人は神の影を見たのかもしれない。
新年早々の“3台体制”を続けてきたが、そろそろ初期型XL125とスーパーカブCA105Hを片付けなければならない。
初期型XL125はステーターコイルを何とか出来れば“手術室”から出せる。
CA105Hもエンジンを始動できれば一段落だ。
内部は完全点検の上清掃、外部も再塗装や磨き出しで仕上げたエンジンは古びた+ネジをすべてステンレスのトルクスボルトに替えて60年近い年月を感じさせない外観にしたいと思っている。
錆にまみれたリムやスポークも、光沢を失ったハブも、いずれはピカピカにしてフレームは山吹色に再塗装する計画なのだから、今はエンジンだけでも“それなり”のモノにしておきたい。
エンジンを搭載すれば次は始動だが、その前にやっておかなければならない事がある。
配線類の確認やアクセルワイヤーの動作確認だ。
配線類はオイルと埃だらけで切れているものもある。
アクセルワイヤーは再利用不可、さらにガイドが変形していた。
ワイヤーは急遽作成、ガイドも修正した。
これじゃワイヤーが通らないよ
修正してハンドルにセット
切れてるし・・・
バッテリーのホルダーも変形していた
建築現場から出た廃材をストーブにくべて暖を取っている。
湯気を吹きだした薬缶の湯でコーヒーを入れる。
湯気の向こうの作業中のバイクを眺めながら、こんな週末を何度過ごして来ただろう。
期待が不安を追い払ってくれる事を願いながら。