憧 憬 の 轍
2019年12月15日 感謝、そして春を待つために
今年も残すところ2週間余りとなった。
年齢を重ねるごとに1年が早く感じられて仕方ない。
この1年、オマエは何をしてきたのだと自問自答する。
思い起こせば確かにいろんな事があった1年だった。
去年の今頃は何をしていたのかと思った。
そんな思いで去年書いた文章を読み返した。
感謝と言う言葉を軽々しく使いたくは無いが作業場のメンバー、すなわち仲間たちには感謝の念が絶えない。
この縁がバイクと言う機械を介したものだとするならばバイクにこそ感謝すべきかもしれない。
各地で異常気象が叫ばれているが、自分の暮らす街には「積雪」と言えるほどの雪はまだ無い。
昨夜は作業場の夜会、忘年会だった。
いつもの事ながら豪華な宴ではない。
まぁ、会費を考えれば当然の質素極まりない忘年会。
昨夜の余韻を引きずるような目覚めだった。
午前中に後片付けを済ませ、午後にはいつものようにバイクの再生作業をしたい。
『スポカブ・ブラザース(弟)』から連絡があり、CB92に組み込む予定のバルブに堆積したカーボン落としに付き合う事になった。
EX側のバルブの当り面が荒れている。
使い物にならない程ではないかもしれないが圧縮には影響が出そうな状態。
同じバルブは幾つか持っているので状態の良いものを使う事にした。
CB92についてはよく分からない事も多い。
初期はタコメーターを取り付ける仕様になっていない。
タコメーターギヤのユニットやカムシャフトは後に用意されたものだ。
おそらく当時、プライベートでレースに参加した人たちの多くはヘッドライトケースのスピードメーターをタコメーターに替えてケーブルを繋いだのではなかったのか?
専用のステーを自作して両方を付けた車両も見たことはあるが決して納まりがいいとは言えない。
バルブと共に『スポカブ・ブラザース(弟)』が持ち込んだカムシャフトが興味深い。
CB92用のタコメーターギヤを回すための物の内の1本は新品で、その加工は美しいと言うしかない。
タコメーターを駆動させないタイプのカムシャフトが2本ある。
そのうちの1本はCS92用かもしれないとの事だが、CB92用のカムシャフトとはカムの形状が僅かに違っていた。
リフト角も量も同じながら開閉時間を僅かに変えてある。
C92のエンジンとCS92用のエンジンは同型となっているが、CS92の方がよく回ると言う話はこれまでも何度も聞いてきた。
CB92はC92をベースとしたスポーツモデルと言う位置づけだからカムの形状が同じでクランク周りやその他の部分を改良してより高回転を得ていたのかもしれない。
近々にCS92のエンジンを解体する予定もあるので、C92との違いを比較するための大きなヒントを得たような気がした。
ところで・・・、
『樵の巨匠』はまたしても御乱心あそばされ、仏像のレプリカが欲しいとか。
「大日如来坐像」や「十一面観音立像」のフィギアを物色していた。
どれもこれもオークションサイトでは高騰して手に負えない。
大幅に予算を超える落札額に開いた口が塞がらない。
『樵の巨匠』は薪ストーブを愛用しているので、貯木場には玉切りした丸太が山積している。
割る前にこれを使って自分で彫ってみたら?
ところが「カツラの木でなければならない」などと言いやがる。
そんな彼だが般若心経でも唱えながら仏像を彫る日は近いかもしれない。
プラズマカッターや溶接機、グラインダーなど、金属加工に使う道具には手練れた『樵の巨匠』だが木材に関しては自信が無いらしい。
彫刻と言えばGian Lorenzo Bernini(1598~1680)やAntonio Corradini(1668~1752)の大理石でありながら肌や肉体の柔さを表現した作品を思い出す。
その写実性は素材が石であることを疑いたくなる。
興味があれば一見の価値あり!・・・かな?
追悼
中村哲医師の死を心から悼み、その人生と国際的貢献を同じ日本人として誇りに思います。
「武器ではなく、命の水を」