憧 憬 の 轍
2020年3月13日 明日はどっちだ
相変わらず新型コロナウイルス=COVID-19関連のニュースが報じられている。
今のところ県内では感染者は出ていない。
そのためかマスクをしている人も多くない。
目に見えない相手だけに不安感は募るばかりだが、
最近、規模の比較的小さい地震が各地で続いている事も気になる。
東日本大震災から9年、
少しずつ記憶は風化しかけているのも事実だ。
雪の少なかった冬は既に終わり景色は春めいて来たが、
遠くに見える八甲田連峰の稜線が晴れた青空に白く映えている。
『編集長』の新たなる愛車KAWASAKI ZR400C
ZEPHYRχは“ゼファー・カイ”と発音する。
「 χ 」はアルファベットの「X」に相当するらしいが、
χ以前にKAWASAKIには∞をDAEG(ダエグ)と読ませるモデルがあった。
いずれもルーン文字で、
諸説を伴うが古代文字の一種らしい。
文字はそれぞれが意味を持ち占いや呪術にも多用されて来た。
2輪車のメーカーとしてのKAWASAKIは昔から“難解”だった。
「世界最速」を目指しスターターモーターも捨て去り、
華奢なフレームに2ストローク500ccを載せたMACHⅢ-500SSは曲がらない、
止まらない。
メンテナンスに関してはHONDAよりも面倒だが、
それでこそKAWASAKI、
漢KAWASAKIと言えないようではKAWASAKIに乗ってもらっちゃー困る!!!
諸般の事情からHONDAばかりを修理しメンテナンスしてきた。
HONDAが開発した様々なメカニズムには感心させられることが多い。
しかし根底に流れる血はKAWASAKIだ。
ヘッドカバーの左側から滲みだしたオイルはシリンダーのフィンを伝っていた。
さらにクランクケースを伝って落ちる。
これを放置できないのは量的な問題ではない。
ヘッドカバーに使われている樹脂製のガスケットの劣化が真っ先に考えられるが、
合わせ面には液体ガスケットが使われている。
パーツリストにも2種類の“カワサキボンド”が記されていた。
樹脂製のガスケットを丁寧に剥がしてみるとオイル滲みのあった場所にはクラックが見られた。
ヘッドカバーからのオイル滲みよりも気がかりだったのは不安定で、
時々ストールしてしまう不安定なアイドリングだった。
キャブレターの同調が取れていなかったと考えている。
まずは完全分解し完全清掃開始。
『編集長』のZEPHYRχは今年の7月に車検が切れる。
今年の7月が梅雨の真っ盛りなのか夏真っ盛りなのかは誰にもわからない。
どんな7月が来るとしても5月の連休を過ぎるまでライダーにとっては、
朝夕は気温が低く辛い季節が続く。
5月の連休までに幾つかの問題を解消して7月の車検を迎えるために、
桜の便りを聞くまではこの状態が続く事になるだろう。
キャブレターやヘッドカバー周りだけでなく手の加えられていたハンドルを基の状態に戻すためにアクセルやクラッチのケーブルなども必要だ。
『編集長』の悩ましい春が始まった。
かなり昔の事だが「HONDAとYAMAHAとSUZUKIとKAWSAKI、
同じバイクなのに何が違うの?」と訊かれた事があった。
かわいい女の子からの質問だったのでわかりやすく言ったつもりだった。
レストランに例えれば・・・
HONDAは一流の料理人が高価な食材を使って料理を作り、
誰が食べても「美味しい」と言うけど、個性が無い。
YAMAHAはHONDA以上に食材にこだわり
HONDA同様に一流の料理人が作るが味の好みは分かれる。
SUZUKIは良くも悪くも駅前の定食屋
そこそこに美味くて値段も高くない。
そしてKAWASAKIは焼き肉屋
生の肉を持って来て焼き加減も味付けも客次第!
この説明に彼女は「なるほど!」
と言ってくれたが何を理解してもらえたのかは未だに分からない。
ちなみにHarley-Davidsonはメニューの少ないハンバーガー屋
DUCATI はパスタしかないイタリアンレストランとも言った記憶がある
その数年後、
免許を取得した彼女の愛車は今も赤いMOTO GUZZI 850Le Mansだ。