憧 憬 の 轍
2021年3月7日 忘れた頃に
空は晴れて風もない。
ここ数日温暖な日が続いたおかげで道端の雪もかなり解けた。
先週末は『樵の巨匠』が設置した3台目の薪ストーブの「火入れ式」もあって走らせてみる時間が無かった‘75 CB400Four。
3日前、陽気にほだされた『編集長』は「週末はカツ丼喰いに行きますか~」なんて言っていたが、この気温では本気ではなさそうだ。
冷え切ったエンジンに火を入れるのに少々苦労したが、
作業場の付近を走ってみた。はっきり言ってまだバイクの季節ではない。
エンジンに問題はない。
オイル滲みも止まったようだ。
ただ寒さのせいか昨年から気になっていた不具合が再発した。
速度警告灯が速度に関係なく点滅している。
本来は80㎞/h以上の速度で点灯する警告灯が止まっていても点灯している。
走行速度が80㎞/hを越えると点灯するがリミッターが作動する訳でもない。
さらにその速度では頻繁にステム周りを見ていることも無いのであまり意味のない装置のような気がするが、
そんな機構が付いていたのも昭和の機械の証かもしれない。
昼食後にもう一度走ってみようと思ったが気温は3℃。
まだまだ乗れる季節ではなかったようだ。
「東日本大震災から10年」。
そんな言葉を冠した記事やテレビ番組が増えている。
昨日の事のように思い出せるあの震災から10年の月日が過ぎたとは言え、
あの日から時間が止まったままの人も少なくない。
そしてこの10年の間に幾つもの災害が起きた。
同じような地震だったり大雨だったり土砂崩れだったり、
とにかくその度に「復興」の二文字を旗印に人々は生きて来た。
風化させてはならない事、
語り継がなければならない事、
忘れてはならない事。
そんな重い話題を桜や梅の花びらが華やかに覆い隠そうとしている。