憧 憬 の 轍
2021年10月3日 備え
緊急事態宣言も蔓延防止等重点措置も解除された最初の週末、
天候にも恵まれて行楽地の賑わいが伝えられている。
それでも多くの人がマスクを付けているのはこのまま収束するとは誰も思っていないからだ。
今となってはどこへ行っても当たり前のように置かれている除菌用アルコールやマスクを見かけなくなる日はまだまだ先のようだ。
6月に考えられない状態で車検を取得した『チャレンジャーのタカシ』の愛車、
YAMAHA XV400 Viragoは相変わらず調子が悪いと聞いていた。
400ccなのに100km/h出ない、
登り坂では80km/hがやっとだとか。
それでもタイヤを替えたり何度もキャブレターをバラしてみたりしたものの結果が出ていなかった。
不調の原因はキャブレターしか考えられない。
MIKUNI製のダウンドラフトだ。
早速バラして総点検開始。
まずはガスケットが硬化してパリパリの状態だったのでストックしてあるシートから切り出した。
メインジェットにもスタータージェットにも詰まりはない。
エンジンの始動性も悪い訳ではないのだから中~高回転域で燃調が狂うと言うか、
適切な空燃比が保てないために片側のプラグが煤だらけなのははっきりしている。
調子の良い方の部品と悪い方の部品とを比較してみた。
外見上はもちろん同じだがそれぞれの小さな穴からパーツクリーナーを吹き込んで部品内部のバイパス部分を点検してみた。
このバイクは長い間車庫の奥で眠っていたため古くなったガソリンがバイパスのどこかに詰まっていても不思議ではない。
そして予感は的中した。
それにしても厄介な部分に詰まりはあった。
これを抜くために煮たり洗浄液に浸したり、
格闘する事約2時間。
バイク屋なら間違いなく新しい部品を注文したに違いない。
すべてのバイパスに詰まりが無い事を確認しキャブレターを組み直した。
始動性は相変わらず悪くない。
パイロットスクリューを規定値に戻して同調させた。
そして試運転後にプラグを抜いてみたが余計な煤は無かった。
とりあえず成功?
キャブレターの作業を終えて次はブレーキ。
前輪だけが油圧のディスクブレーキだがマスターバッグの小窓から見えるブレーキフルードに透明感は無い。
蓋を開けてみると明らかに堆積物が沈んでいそうな色をしていた。
もちろんブレーキフルードは全量交換だ。
海苔の佃煮のような堆積物を取り除き新しいブレーキフルードを入れる。
『チャレンジャーのタカシ』によればブレーキが別物になったようだとか。
それでも安心するのはまだ早い。
フロントフォークやシャフトドライブのギヤオイルとか、
メンテナンスが必要な個所は残っている。
10月最初の日曜日は実に作業場らしい慌ただしくも楽しい1日だった。