憧 憬 の 轍
2022年7月24日 夏が来る
7月も終わりに近いが未だに梅雨明けが近い実感が無い。
雨が降り続く訳でも無く肌寒い訳でも無いが空は鈍色の雲に覆われ、時折細かな雨粒が視界を曇らせる。
この状態はもう少し続くようで、8月初旬にはまた雨の日が続く予報もある。
津軽では3年ぶりにねぶた祭が開催されるが、「ねぶたが終われば秋」と言われる。
それでも東北地方北部の短い夏が始まる予感に気が逸る。
昨夜の「月例会」の余韻、いや二日酔いを引きずりながら参加者のほとんどが午後になってやっと動き出したらしい。
朝から元気に走り出した者もいるがそれは強い自制心が成せる業と言わざるを得ない。
前輪を18インチ化するために新品のリムやスポークを用意したW1だが手は付いていない。
『編集長』が持ち込んだCB400SFもインナーチューブやオイルシールが届いているが今日は手付かずのままだった。
もう少し若い頃なら酔った勢いで夜半に作業を始めていたかもしれないが、それをしなかったのは年齢と共に多くの事が分かったからなのか、そんな気にもならないくらいに酔っていたからなのか・・・。
予期せぬ失敗や二次災害的な結末に至らないためには賢明な判断だ。
昨夜の朧げな記憶を辿ると『樵の巨匠』のガレージには今朝、「おもしろいモノ」が届くらしい。
そんな話を聞いたような記憶もある。
新メンバーの『サトちゃん』ことS氏のニックネームを『トーハツのレイジ』と改める事や、最近普通二輪免許(世代的には中免と言う方がピンとくる)を取得した『JAZZのタケ』の事は覚えている。
紛らわしい話だが『JAZZのタケ』はお馴染みの「ジャミフレンズ」の『JAZZのタカ(自称)』とは別人だ。
ニックネームは似ているが目指す路線はまったく違っている。
月例会に参加できなかった『特攻隊長』に誘われて行ってみた。
そこにあったモノは・・・。
CBの600だとか550をボアアップした650だとか、不確かな話にまみれたモノのサイドカバーにはKAWASAKI Z400FXの文字が。
1979年に欧州で発売されたZ500の直線的なデザインを継承し、免許制度の関係から400ccにスケールダウンされながらも、1977年に生産を終えたHONDA CB400F以来初の中型4気筒モデルだ。
デザインの好みは分かれるがCB400Fourと同様に一時代を風靡したバイクだった。
懐かしさを越えて目に付いたのは「ヨシムラ POP YOSHIMURA」のステッカーとキャブレターだった。
この黒く細い集合管がヨシムラ製のものかどうかも分からない。
さらにキャブレターはKEIHINのCRだ。
若い頃にCRキャブレターを付けたバイクに乗っていた事がある『特攻隊長』は笑いながら様々なエピソードを語るが、実はどれもこれも笑い話ではない。
以前、自分はセッティングしきれなかった経験がある。
キャブレターを替えているだけでなくエンジンの各所がメッキ処理されている。
それなりに金も手間もかけた車両なのは間違いない。
『樵の巨匠』ならエンジンを再始動させるまでは簡単にやってしまうかも知れないが、楽しみなのはその後だ。
いつものように梅雨の終わりを予感してツーリングの行先やルートが話題に上る頃だが、話題はまた別な意味で予感する暑さ、いや熱さかも知れない。
今後夏が過ぎて秋が終わる頃、朝夕の肌寒さからバイクの事も忘れそうになる頃、このZ400FXがどこにあるのかを考えると頬が緩みそうだ。
次の週末で7月は終わる。
W1も、トーハツのツインアローもCB400SFも再び手が付けられる予定だ。
もしも外は雨が降っていても作業場は真夏のような熱気に包まれる事になるだろう。
作業場の前を走る道路は50年ぶりに一方通行が解除され対面通行になった。
それ自体は昔を知る者としては懐かしさも伴う事だが交通事情はこの50年で大きく変わった。
車道と歩道を分ける縁石の有無だけでなく、再開発計画によって拡幅された道路と対象外だった道路の幅員の差など、慣れだけでは済まない問題が起こりそうだ。
編集長のおまけ!
8月例会もよろしくね~