憧 憬 の 轍
2022年12月25日 Happy Holidays Once Again 5th
強い冬型の気圧配置と伴う寒気のために大雪が降る予報とは裏腹に雨が降った。
雨は積もっていた雪を溶かし、街の景色を変えてしまった。
雪の少ない年でもこの時期には雪でホワイトクリスマスとなるのが例年の事だったが、今年はホワイトではない。
White Christmasの対義語はGray Christmasだろうと思っていたが正しくはGreen Christmas。
この季節に枯草はあってもGreenなんてどこにも見当たらない。
全バラを決め込んだ‘75 CB400Fourはクランクケースと腰上を再塗装するために、蓄積したカーボンを落す作業を続けながら年末年始の休みを利用してフレームに再搭載可能な状態を目指している。
KAWASAKI W1の再生作業以来、部品の洗浄に使っている「サンエスK1」は加熱すると水溶性とは思えない程効果的だ。
脱脂力と乾燥の速さはメタクレン=ジクロロメタンに及ばない。
また「サンエスK1」は使用後によく水洗いしなければ表面に成分の結晶が残ってしまう。
再塗装するシリンダーなどはフィンの奥まで中性洗剤でよく洗い、乾燥させてからでなければ手が付けられないが、バルブやピストンなどの比較的小型な部品は加熱して使えばおもしろい程カーボンが落ちる。
交換を前提に手配したオイルシールやOリングなどは既に届いているし、腰下だけでも早く組み立てたい。
逸る気持ちを抑えてシリンダーヘッドやヘッドカバーの塗装をした。
耐熱塗料を使ったので熱を加えて耐熱被膜を作くる必要がある。
そのためにはクランクケースの時と同様に『編集長』の作業場のストーブのお世話にならなければならない。
次の週末は既に年末年始の休みなので、一気にエンジンを組み直す事を考えている。
シリンダーやシリンダーヘッドのフィンの奥まできれいに塗装する工程にはマスクが欠かせない。
していないと鼻毛がシルバーヘアになってしまうからだ。
『チャレンジャーのタカシ』は前オーナーの伝言に従ってギヤオイルや冷却水の入れ替え。
前オーナーはこのバイクを新車で購入したらしくマニュアルやパーツリストも受け取っていた。
サブフレームを跳ね上げると整備しやすいと思っていたがマフラーまで外さなければオイルフィラーが回せない。
そのためにリアサスペンションまで跳ね上げての作業となった。
一方『編集長』もワイヤー類の取り回しを確認するためにマニュアルを開いている。
昼食を取りに出たついでに『樵の巨匠』のガレージを覗いて見るとTY175は仕事場に移動していた。
仕事の合間にバイク・・・、なのかバイクの合間に仕事なのか。
さらにプレス機でアルミ板を加工していたが、これも当然TY175のためのものだ。
天気予報にチャンネルを合わせると関東北部の山間や長野に警報級の大雪が予想されると報じていた。
雪に慣れている地域であっても局所的に、さらに短時間の降雪量が多いと対応が難しい。
交通渋滞や屋根からの落雪など命に係わる事案は他人事ではない。
今年最後の1週間、このままだと雪の無い新年を迎えそうだが、それはそれで少し寂しいような気もする。
閑話休題 Happy Holidays
AIR MAILの封筒から出て来たきれいなカードには「Happy Holidays」と書かれていた。
「Merry Christmas&Happy NewYear」ではない。その事を知り合いのアメリカ人に話すと少々意外な答えが返ってきた。
Merryは単に楽しいとか陽気な、と言う意味で宗教的な意味合いは無いが、ChristmasはChrist=キリストとmas=礼拝を合わせた単語なので、キリスト教徒ではない人に対する一種の気遣いではないのかと言う。
日本人なので仏教徒だと思われているのかも知れない。
無宗教の無神論者として今後は「Merry Christmas」ではなく「Happy Holidays」と言おうと思った。