憧 憬 の 轍
2023年9月24日 秋分
気温が30℃を下回っただけで涼しく感じるのはこの夏がどれほど暑かったかと言う事だ。
さらに朝夕の20℃を大きく下回る気温には肌寒さを覚える。
9月も下旬なのだからそれらは当然の事だが一向に秋めいてはいない。
遠くに見える山肌も相変わらず青々として見えている。
カマキリがその年の積雪量を本能的に予測して卵を産む高さを変える話や、キノコの発生時期から中期的な気象を予測できると言う話を聞いた事がある。
どれもこれも真偽のほどは定かでないが、虫や草花、樹木を見て季節を感じる生活が大きく変わってしまったのかも知れない。
そんな事を思いながらも、確実に季節が冬に向かっている事を感じて少しだけ安心した。
KAWASAKI KSRⅡの再生のための準備作業だが、今はまだ準備のための準備のような状態だ。
まずは黒い塗料と錆をサンドブラストで落とすために、エンジンマウント周辺にこびり付いているオイル混じりの泥を落とす。
この種の作業を怠ると後に手間ばかりが増えて苛立つ事になる。
フレームをサンドブラストするためには少々準備が必要だ。
小型のフレームだがブラスターに入るサイズではない。
以前も同じ方法をとったが今回も大きな厚手のビニール袋に入れてブラストする予定だ。
ホームセンターで丁度良いビニール袋を探したが厚手の物が無かったのでフレームは後回しにして、針の無くなってしまったスピードメーターの修理とエンジンの腰下の解体に手を付けた。
スピードメーターはガラスを押えているカシメを外すと元に戻せなくなってしまう。
メーターのケースが樹脂製なので歯の細かいノコで2分割。
丁寧に切れば後で接着出来る。
スピードメーターをパッカーンと開けて次はエンジンの腰下。
コンロッドが左右に約4㎜振れている。このエンジ
ンは以前ビッグエンドのベアリングを木端微塵に破損した事がある。
その際にベアリングだけを交換し、コンロッドは再利用だった。
純正部品は既に手に入らないので、程度の良いコンロッド付きのクランクシャフトを用意した。
クランクシャフトを入れ替えるのだからエンジンはほぼ完全に解体する事になる。
久しぶりのフルレストア作業だが本格的な作業は冬場にやるつもりだ。
10月を目前にバイクに乗ることが出来る日は今年も残り少ない。
春がそうだったように、この秋も駆け足どころではない速さで過ぎてしまうのだろうから。