2017-01-01から1年間の記事一覧

1985年初夏 鎌倉 紫陽花の花を見るたびに  番外編5

憧 憬 の 轍 2017年7月14日 1985年初夏 鎌倉 紫陽花の花を見るたびに 番外編5 あの人は雨の向うで微笑んでいたように見えた。 そして小さく左手を振って車中の人となった。 別れ際に交わしたとりとめもない短い会話が今も気になっている。 あの時、僕には嘘…

何度でも、metamorphoses

憧 憬 の 轍 2017年7月9日 何度でも、metamorphoses 地震の傷が癒えないうちに今度は豪雨だ。 ニュース映像に映し出される濁流や泥に埋もれた街を見るたびに 津波の後の三陸を思い出す。 津波にのまれて川まで押し流され、 L字型に折れ曲がった軽トラックや…

焦燥感

憧 憬 の 轍 2017年7月2日 焦燥感 半夏生。 やっと夏らしくなる予感と今年も半分が終わってしまったと言う焦りにも似た気持ち。 そして気が付けば秋の気配が近づく。 今年こそは・・・、何度そう思って7月を過ごしてきただろう。 今年初めての真夏日。 風を…

禊だな

憧 憬 の 轍 2017年6月25日 禊だな 日中は夏を思わせる日差しがあっても1日の最低気温はまだ20℃以下。 初夏と言うにふさわしい。梅雨の前の今の季節が東北では一番快適な季節かもしれない。 2週間前、沖縄では雨、雨、雨の日々を過ごし、 帰ってきた途端に沖…

ばちあたり・・・なのかもしれない

憧 憬 の 轍 2017年6月19日 ばちあたり・・・なのかもしれない 白状する。 実はまた沖縄に行ってきた。 今年2回目だ。 遊びではない、 いわゆる“野暮用” とは言いながらも少しだけ海に行ける時間を期待する下心も当然あった。 梅雨の時期だとは分かっていた…

アナログと言われようとも

憧 憬 の 轍 2017年6月10日 アナログと言われようとも ツーリング用の地図の話。 かつて“ツーリングライダーのバイブル” と言われた旺文社のツーリングマップル。 地図としての精度は決して良いとは言えず、 加えて地図上に書かれた案内文はアテにならない。…

彷徨への誘い(たびへのいざない)

憧 憬 の 轍 2017年6月4日 彷徨への誘い(たびへのいざない) 早いものでもう6月。今年ももうすぐ半分が終わる。 そんなことを何度口にしてきた事だろう。 言葉の裏側にある夏へのあこがれや冬からの解放感は否めない。 眠れない夜には地図を広げて遠い旅に…

意味

憧 憬 の 轍 2017年5月28日 意味 篠田桃紅(しのだ とうこう)著「103歳になってわかったこと‐人生は一人でも面白い」 と言う本が密かに話題なっている。 「いつ死んでもいいなんて嘘。生きているかぎり人間は未完成」 帯に書かれた言葉が目を引く。 彼女は…

やまない雨はない

憧 憬 の 轍 2017年5月21日 やまない雨はない 小満。聞きなれない言葉だが今年は今日が二十四節気の「小満」。 万物の成長が一定の度合いに達する頃と言う意味らしい。 天文マニアに言わせれば「太陽黄経が60度の瞬間」の事で 暦の上の1日の事では無いとか。…

憂鬱な夜の楽しみ

憧憬の轍 2017年5月15日 憂鬱な夜の楽しみ 5月3日の「春一番ツーリング」の際に液晶モニターを壊してしまったポケットカメラの修理。 モニター単体でも手に入るようだが、 個人的には中華系のサイトを信用できないのでオークションでジャンク品を物色した。 …

母の日

憧 憬 の 轍 2017年5月14日 母の日 今日は「母の日」。 妻帯者メンバーの妻=母のためか、 あるいは恐妻家(失礼、愛妻家)揃いのためか、 いつもの週末とは違って作業場には静かな時間が過ぎていた。 最近になって知ったことだが5月5日のこどもの日にも「母…

羽化

憧 憬 の 轍 2017年5月2日 羽化 およそ半月前の事、 「春一番ツーリング&春の味覚・天ぷら祭り」は 5月3日と決めたはいいが天気だけが心配だった。 メンバーの日頃の行いが良かったのか、 あるいは雨男が参加しなかったからか、数日前から暖かい日が続いて…

八十八夜

憧 憬 の 轍 2017年5月2日 八十八夜 「夏も近づく八十八夜」、立春から数えて88日目。 立夏を3日後に控えて天候は安定してきた。 梅雨が始まるまでの短い時間だが、北国ではこの時期が最も春らしい。 八十八夜に摘んだ新茶を飲むと縁起がいいとか 長生きする…

昭和

憧 憬 の 轍 2017年4月29日 昭和 『激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、 国の将来に思いをいたす国民の祝日』と位置付けられている今日、 昭和の日。 昭和中期に生まれた者としては「天皇誕生日」と言う名称に馴染みが深い。 昭和64年(1989年…

春の足音

憧 憬 の 轍 2017年4月27日 春の足音 やっと春らしい気温になってきたここ数日、 作業場の周辺の山菜も芽を出し始めた。 春の山菜は芽が出たかと思うとあっという間に育ってしまう。 早く摘みたい気持ちを抑えて、もう少しだけ我慢、我慢。 来週にはおいしく…

穀雨の後に

憧 憬 の 轍 2017年4月16日 穀雨の後に 桜は蕾がほころび始めたかと思うと一気に咲いて、 あっという間に満開になる。まるで感情を抑えきれなくなったように。 そして咲いた花は散る。 咲いた桜も美しいがはらはらと舞い散る花びらもまた美しい。 花弁を離れ…

春雷ならばまだしも、遠雷

憧 憬 の 轍 2017年4月16日 春雷ならばまだしも、遠雷 「遠雷」は夏の季語。 まだ雪の残る北国にはおおよそ似つかわしくない二文字。 それでも遠くで雷鳴が聞こえたような気がして掻き立てられる不安と、 そこから逃れようとして創り出す根拠のない期待。 こ…

CHROMA-0

憧 憬 の 轍 2017年4月9日 CHROMA-0 カラーフィルムで撮影した古い写真をモノクロに置き換えてみると、 全く別な写真に見えることがある。 白色と黒色の間に存在する無数の無彩色。 言い換えるなら濃淡。色に誤魔化されていた、 あるいは誤魔化していた視…

憧 憬 の 轍

憧 憬 の 轍 2017年4月2日 本気で真面目に遊んでるって事サ~ 前回に続いていきなりこんな写真を載せて 「脱輪も甚だしい」と言われそうだが、 実は野暮用で先週は沖縄にいました。 決して遊びに行ったのではありません、 と言っても信じては貰えないことも…

この空を飛べたら 加藤登紀子と中島みゆき 番外編4

憧 憬 の 轍 2017年 3月 30日 この空を飛べたら 加藤登紀子と中島みゆき 番外編4 「この空を飛べたら」。 1978年に加藤登紀子がシングルリリースした楽曲。 作詞作曲は中島みゆき。 翌年、中島みゆきがリリースしたアルバムの中に本人が歌う 「この空を飛べ…

憧 憬 の 轍

憧 憬 の 轍 2017年3月26日 浅春のみぎり 「転任前に参上し、ご挨拶を申し上げるべきところ・・・」。 そんな堅苦しい文言が印刷された葉書が届く。 儀礼的なものと言ってしまえばそれまでだが、 片隅に走り書きされた「元気ですか」の文字、その筆跡が懐か…

憧 憬 の 轍

憧 憬 の 轍 2017年3月20日 春分の日に 春分の日。 一般的には連休。今日も街角で見かけるバイクの数が飛躍的に、 いや加速度的に増えた。 思い返してみると1月中旬、青森市の積雪はゼロだった。 突然に冬が訪れ、雪を降らせ、道を凍らせた。 そして春もまた…

憧 憬 の 轍

憧 憬 の 轍 2017年3月19日 物事の始まりは春 春はただ暖かくなる季節ではなく何事かが始まる節目でもある。 冬の終わりに日ごと嵩を減らす雪を見る度にそう思ってきた。 それが単なる期待感だったとしても何かが始まりそうな予感自体が楽しい。 『林道2号』…

憧 憬 の 轍

憧 憬 の 轍 2017年3月12日 蛍雪と復興 卒業式シーズン。蛍の光、窓の雪。 「蛍雪」と言う言葉を最近は聞かなくなったような気がする。 東日本大震災の追悼セレモニーがこの週末、各地で行われている。 6年前の停電の夜、 目が慣れると1本の蝋燭の明かりで部…

憧 憬 の 轍

憧 憬 の 轍 2017年3月8日 やっぱり・・・DéjàVu 「バイクの虫に眠りは無い」なんて書くんじゃなかった。 「寝たふり」しているだけだったんだね。 “タンク塗装祭”もこの週末で終了の予定だったが、飛び入り参加者続出。 C92ブラザーズ(弟)のCB50改のタン…

憧 憬 の 轍

憧 憬 の 轍 2017年3月5日 今朝の気温は? 啓蟄。冬ごもりしていた虫達が動き始める頃。 虫ケラどもはこれから動き出すのかもしれないが、バイクの虫に眠りは無い。 先週末に予定変更したXL250R(MD03)のパリダカタンクを塗装する。 色はやっぱり赤。 自分…

待ち遠しい

憧 憬 の 轍 2017年3月2日 待ち遠しい 最高気温8℃なれども最低気温も-8℃、こんな日が続いた。 昼間に溶けた雪や氷が朝方にまた凍る。 これもまた北国に生まれ育った者だからこそ感じられる春の予感だ。 車を運転していて感じる陽の暖かさに独り言がこぼれる…

憧 憬 の 轍

憧 憬 の 轍 2017年2月26日 BGMはZigeunerweisen 早くも桜の開花予想が発表されている。 北東北は4月20頃から25日頃になるらしい。 地球温暖化の影響なんて安易に言いたくないが、 「弘前の桜まつり=5月の連休」と言う季節感も捨てなければならないようだ。…

Am Em F E7sus4 E7 

憧 憬 の 轍 2017年 2月 24日 Am Em F E7sus4 E7 「いちご白書をもう一度」。 1975年のヒット曲。荒井由美(松任谷由美)の楽曲をバンバンが歌った。 映画「いちご白書(原題The StrawberryStatement)」は 作家James Simon Kunenによるノンフィクション、 …

忘れ物

憧 憬 の 轍 2017年 2月 23日 忘れ物 コーヒー豆を挽く時、その匂いと共に思い出す事が、ある。 あの日、Nさんは何故に小樽の水天宮に行きたかったのか。 仕事を休んでまで。 O君はその理由も訊かずにクルマを走らせた。 花園の交差点を右に折れて、狭い小路…